令和 6年 11月のうた
う |
木枯らしや涼し気に笑む鬼瓦 |
冬の枝 |
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冬隣り |
霜月や |
鰹のる湯豆腐の湯気 冬の膳 |
出汁色がうまいと叫ぶ大根煮 |
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脂のる焼鯖あてに燗の酒 |
色草の石垣屏風 |
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冬桜 |
笑むよ |
霜月や注連縄囲む城下町 |
木枯らしの色草揺らす長石垣 |
冬隣り石垣濠の草屏風 |
寺 |
霜月や尾のゆったりと濠の鯉 |
白い月 |
冬泥濠 |
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鬼瓦 |
冬隣り遅く澄む川静かなり |
冬隣り温石に坐し空仰ぐ |
石標そばに座りて芒見る |
晩秋や侍屋敷の朽ちる鋲 |
大蒼空ひろ |
石垣の草に覆われ冬隣り |
秋閑か濠にあお鷺じっと立つ |
鵜と鷺の居る濠辺径 |
すすき揺れ濠の出島に鯉数多 |
秋の暮れ櫓の近く鴉鳴く |
霜月祭 |
令和 6年 1月のうた
晴れて善し寒波の中の日和かな |
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裾池よ天守と花を映しけり |
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冬の城 |
寒雀 |
丘
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ピシッと鳴る坐禅の僧の吐く気霜 |
松 |
地震津波 |
能登へ行く応援隊の声やさし |
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素手マイク凍れる知らせ地震の跡 |
大寒気 |
漆 |
寒き日や頼る炬燵よ風の音 |
暖房や風強し日の高き音 |
事 |
時と場所 |
半島の津波と火災 |
冬晴れて花園を見る天守閣 |
冬日射し輝く花ら並ぶ丘 |
青 |
大寒や |
能登地震 |
元日や光る門松の南天 |
下山してとんどにかざす両手かな |
面影の寒中見舞いの訃報かな |
男山 |
山裾の八つ手の揺れよ |
リ |
北風や濠の樹の下 |
小寒や床の冷たさ足裏に |
寒 |
令和 5年 12月のうた
冬濠や白雲ゆったり飛びにけり |
冬川の曲がり瀬音の響きけり |
歳末や鴨南蛮のうどんかな |
千の径 |
播磨灘巡らし給う文学館 |
南天の赤が目にしむ裏参道 |
先を飛ぶ鷺の川辺よ果実の黄 |
背中寄せ水の字作り行く川辺 |
三声の鴉一匹 |
どんぐ |
冬晴れて眩し |
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大空に |
冬城や |
柚子浮いて体ほぐれる冬至の湯 |
暖房音 |
夜来の雨の濡れ枯葉 |
床を掃 |
風枯れ木 |
黄葉の冬木の土手よ |
裸木になりつつ落ちる銀杏かな |
石垣に這 |
花垣や城池めぐる山茶花ら |
靄の朝 |
千の径 |
川端の銀杏を踏めばサクと音 |
駐車場 |
冬日照り雑木林の更地かな |
シロトピア子等のマラソン冬日射す |
冬西日 |
城仰ぐ子等の遠足
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冬森を出れば暖か陽射しかな |
冬の朝 |
エア |
令和 5年 11月のうた
ク |
大天守仰ぎスマホの入城者 |
冬濠傍 |
寒暖差 |
遠足の児らにごめんねと冬の橋 |
|
先を飛ぶ鷺の川辺よ果実の黄 |
背中寄せ水の字作り行く川辺 |
遠き山 |
冬の川 |
顎だして城を見上げる冬の子等 |
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吸殻をはじ |
冬陽射し逆光の並木輝けり |
冬の子等つばが邪魔して城仰ぐ |
冬晴れて枯葉踏む音の楽しさ |
寒風にピ
|
ななかまどベンチに並ぶ赤き実よ |
寒気去り鳥の翼も伸び伸びと |
冬日さ |
朝の川 |
岩肌が冬陽に光る小山かな |
急寒気はげしく響く室外機
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母の裾か |
冬濠や出島に鵜立つ小自然 |
冬の城 |
白壁路 |
滝段の瀬音の鯉の冬の園 |
冬晴れて羽根を温める鵜の立てり |
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我が影のそばに小さな赤とんぼ
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人かなと思うすすきの冬の朝 |
もみじ葉の先それぞれの雨の粒 |
こ |
令和 5年 1月のうた
氷上を鳥ら小走り冬の濠 |
冬うらら予定が消えて日向ぼこ |
大寒波 |
コロナ禍や異なるマスク其処此処に |
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大寒波 |
木枯らしや広場に流る虎落笛 |
降る雪や白鷺城に鷺ら飛ぶ |
オ |
冬の晩おでんが馳走あ |
雪催 |
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日向ぼこ芝生で見上ぐ冬の空 |
寒雀 |
熱燗や十年来の大寒波 |
寒鴉 |
冬の鷺 |
冬 |
寒げいこ狙いは最中か善哉か |
初日の出 |
長閑な日 |
冬の味 |
冬の園ベンチにとまる蛾ひとつ
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1 |
冬夕べ聖堂の鐘 |
聖堂の鐘音響 |
西日射す天守 |
早朝の暖房の音ほ |
妹背橋
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鴨ら水脈きらきら光る冬の濠 |
門松に大壺の花 |
寒の入り皮の手袋マフラ |
新日めく |
令和4年 12月のうた
大木の幹いくつかの土手続く |
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冬の朝
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冬キララ光の濠に鴨ら浮く |
柚子が浮く背中に触れる冬至風呂 |
自衛隊 |
冬の濠 |
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友の居ぬ店のぞき見て師走来る |
満席の張り紙太字 |
白鷺の黄色の足の冬浅瀬 |
石垣に梯子の並ぶ師走かな |
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石垣を抱 |
空に雲
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冬日浴び人影の行く足の音 |
冬すずめ川瀬の茂み集まれり |
川底の形の波よ冬の川 |
碧 |
色とりどり小さき花ら冬の園 |
楼閣の裾の紅葉の瀬音橋 |
凍る濠 |
子等笑顔並んで歩く冬小路 |
川と濠 |
風の日や白鷺ら飛ぶ冬空よ |
めぐ |
大青空 |
池と滝 |
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底見える水面を覆う紅葉かな
|
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寒き日や漆黒の闇のやすらぎ
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濠辺道 |
小春日や後ろ荷台に微笑む子 |
山 |
令和4年 11月のうた
黄なる葉を降らす銀杏の裾紅葉 |
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冬桜
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空に透け皇帝ダリア揺れにけり
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庭越えの芒の揺れる瀬音路 |
小さ |
コロナ過や店替わり聴く戸惑いよ
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歩けど |
飛び跳ねて鯉の音する秋の庭 |
花手水 |
大パノラマ長石垣と濠の秋色 |
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廃線路 |
紅葉道 |
初戦勝つ雲ひとつなき青空よ |
床を出て聞く雨音よ肌寒し |
城櫓 |
浅 |
金 |
石垣を覆う蔦らのア |
虹のこ |
脱いで着て変動気温の秋な |
砂場秋 |
霜月や皆既月食赤い球 |
濠風や石垣沿いに色変化 |
フウフうと生姜醤油のおでんかな |
秋風や雲の様見る生まれ消え |
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秋暑き木漏れ日道を歩みけり |
|
長 |
秋晴れて広場のヨガの爽やかさ |
城仰ぎ枯葉踏む音サクと鳴る |
雲飛んで瀬音並木の紅葉よ |
令和4年 1月のうた
薄氷や緋鯉静かに濠の底 |
野良猫の冬の宿なる茂み穴 |
出初式
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草を刈る高き石垣
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紅椿 |
山茶花や敷く紅つつく鳩数羽 |
と |
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小鴨五匹 |
飛ぶ鷺の大きな羽根よ冬の濠 |
山茶花の並木トンネル野良の行く |
熊手持ち参道歩む |
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大寒や |
猫の朝
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寒行や諳んじる経聴く小路 |
冬木立 |
コロナ禍や花ら数多の冬の園 |
冬濠の風よけ日向 |
知らせ打つ指のかじかむ地蔵堂 |
とんどすみ七羽の子鴨飛び立てり |
山茶花の日照りの雨に輝けり |
小春日や共に声出し鴨ら行く |
枯尾花 |
山茶花や日に照り映えて白鷺城 |
緋毛氈膝に城見る人力車 |
晴れて善し十日えびすの天守閣 |
冬広場 |
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冬の川 首を羽根に埋め |
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冬の鵜ら |
石垣の草刈りの音 |
正月や |
冬川に足透け見えり泳ぐ鴨 |
令和3年 12月のうた
幹に瘤 |
天駈ける雲のけり去る寒さかな |
山茶花の並木の奥に麒麟なく |
紅花や枯れ木に透ける白き城 |
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長濠に石垣の櫨揺らぐなり
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木枯らしや雲を飛ばして破風叩く |
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いつもいる緋鯉一匹 |
小物入れ集めて洗う師走かな |
鴉鳴く川の瀬音も凍てつけり |
寒風の歯ざわり甘し柿喰らう |
柚子風呂や八個浮かびて葉付きあり |
冷え冷え |
長石垣に梯子の数多 |
暖房の音にゼロ戦 |
冬日向 |
あおむけに師走の庭の日だまりに |
サクサクと芝生の上の枯れ葉かな |
雲ひとつなき冬空に昼の月 |
土手上に無き老木の冬の空 |
濠鴨ら |
城の庭 |
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樹に鴉 |
杭仕切り先にトンボの赤夕焼 |
そぞろ寒 |
干魚の骨まで喰らう熱き燗 |
黄落や並木の先の五輪跡 |
さっぱりと枯葉の流る瀬音かな |
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苔瓦並ぶ露地なり紅葉時 |
山茶花の落花の森に潜む猫 |
冬空に雲まとわせて白鷺城 |
石垣の紅葉の下に鴨九羽 |
令和3年 11月のうた
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燃え映える濠辺の紅葉鷺の森 |
風そよ |
霊苑の納骨堂の冬ひなた |
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酒を酌む強き藁火のタタキかな
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照明の白亜城
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枝先の木守柿 |
外苑の銀杏並木よ五輪去る |
吹き溜ま |
納骨の仏舎利塔の風の音 |
紅葉背に休む白鷺 |
コ |
薔薇香る広き庭園 |
照ら |
空透かし虫待つ蜘蛛の閑なり |
青葉背に輝 |
頬 |
石垣の壁の芒に目立つ櫨 |
秋濠や下に鴨鯉 |
石垣を映して靡く芒濠 |
石垣の秋草模様 |
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白秋や長白壁の好古園 |
紅葉燃え白亜の天守 |
濠出島 |
絹雲の飛ぶ逍遥路 |
木犀香る |
ザリガニを取りし冬至の暗渠路地 |
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枝切られ大空の雲 |
秋水のさらさら光る浅瀬かな |
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大破風 |
川に立つ鳥影 |
地蔵堂 |
令和3年 1月のうた
濠に射す光波寄せ来る春隣 |
土 |
冬日向 |
|
末広に狛犬二対 |
冬白鷺 |
冬川の底影うつす葉の速し |
|
冬日射す枯木に雀群れ来たる |
地 |
濠傍の小雨の枯木鵜のひ |
雲ひとつなき青空に冬の月 |
冬石垣 |
敗荷に数多の雫それぞれの空 |
樹から鳥二羽遊び出る小春かな |
ならされた冬田の畝に猫の跡 |
コロナ禍や遺産小路に誰一人 |
鴉の巣 |
日向道 |
立 |
土手 |
冬日向 |
真 |
|
寒雀 |
日向道メタセコイヤの枯れ並木 |
象の背に雀一匹 |
コ |
氷濠 |
濠薄氷 |
|
門松や注連縄の門ならぶ街 |
初段踏む |
|
蜜を追う自殺願望の群れ多し |
冬川の底石透けて流れ早や |
冬雲に本堂不動 |
令和2年 12月のうた
城の濠 |
枯れ枝の先に蜂の巣 |
千社札張られ冬堂 |
|
鴨の水脈 |
門松や竹切り口の笑いおり |
コロナ禍や冬空睨む鬼と獅子 |
|
箒 |
古宮や狛犬の耳の歳月 |
川蔭に虫柱 |
冬空に溶け行く雲や碧戻る |
吹 |
コロナ禍や数多の鴨の冬の濠 |
仏舎利塔の影 |
冬日向 |
爪六本 濠の出島に冬の鷺 |
枯葉 |
ビルからの落下音 |
山茶花や望城の坂の日向道 |
老い二人 |
濠鏡 |
白鷺城 |
|
寒雀 |
山茶花に羽音させ行く熊ん蜂 |
土手紅葉 |
冬の亀 |
冬の濠 |
初 |
|
かさ |
冬夕陽 |
|
土手紅葉 |
石垣の上の枯葉に蝶の息
|
冬日射す柳のひかる濠の先 |
令和2年 11月のうた
城の土手 |
鰯雲 |
参道や銀杏落ち葉の色の音 |
|
箒風掃き上げ川へ紅の帯 |
石垣の色草うつして濠面ゆれ |
黄落葉 |
|
紅葉踏むサクと音する濠辺かな |
もみじ葉の虫食い見せて落ちる濠 |
自転車の灯と枯葉踏む音の群 |
冬の寺 |
枯れ古木どんと突き出て鰯雲 |
き |
犬を引く老婆よろける紅葉径 |
風やみて石垣覆 |
裾紅葉 白き天守に跳ねる鯱 |
鴨五つ濠の陽だまり曳ける水脈 |
樹に絡み冬へ色めく蔦楓 |
鵜の去りて鷺戻りける秋の森 |
黄や赤や吹かれる葉らの高き空 |
青空や天守鷺飛び裾紅葉 |
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芒らの揺れを止めるか櫨の赤 |
秋雨や寺の螺髪の金雫 |
う |
ブロア |
晩秋や屋根の家紋に照る夕陽 |
石垣に映える櫨の葉 |
|
鰯雲 |
晩秋の書展に飛なる遊び文字
|
|
野面積み這う苔と櫨うつす濠
|
コロナ禍を逃げ瀬音道ふかし秋 |
雲しずか 冬 |
令和2年 1月のうた
白壁に影落とす陰もみじ紅 |
唐破風 |
石垣を映して続く冬の長濠 |
|
ガリ旨し大ネタはまち屋台酒 |
寒風や残る石垣椅子になり |
鼻水に手洗いうがい日なか中 |
|
自家製のポリ凧上げる城広場 |
鵜の枝に鱗の羽根をさらす冬 |
筋波の凪ぎて輝く冬の濠 |
冬濠辺 |
おでん種ぐつぐつ温し屋台酒 |
|
暖冬の傘に雨音ポタポタリ |
冬の雨 |
山茶花垣根老犬の目に映りしか |
濠の鵜の来たりし枯木揺れにけり |
陰木立並ぶ中にも紅葉照る |
冬日射す遠景の塔の法輪 |
|
唐破風ひさしに触れる枯れ紅葉 |
風鐸や塔の庇に冬の風 |
白壁に紅葉の紅影ほの紅く |
|
冬の森ふと川せみを見る川辺 |
冬の城 |
冬ばれの突如の雨や葉ら光る |
午後の陽に葉らの輝く冬日かな |
日当たりの出島に眠る鴨数羽 |
春の鳥 |
|
隅櫓ひそり |
おせち膳
|
|
階段をのぼる手すりの冷たさよ
|
正月や机の上に老眼鏡
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石垣の素顔を見せる冬の濠 |
令和元年(平成31年) 12月のうた
去年今年 合掌して聴く鐘の音 |
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干し柿の数を数える年の暮れ |
肥え目立つ野良猫多し冬の園 |
猫の爪研ぐ濠辺の温き冬 |
大小の地蔵ら並ふ冬庵 |
冬のつた目立つ古城の原始林 |
山茶花の垣根の先に天守閣 |
師走濠 |
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寒行や |
南天を揺ら |
煤逃れ |
ひそりと二つ櫓の森に冬の鷺 |
門松や竹の笑える輪切り口 |
残り蝉 |
何聴くか幹をゆるりと這う蝸牛 |
青き空 |
初燈 |
寒風に干される柿のすだれかな |
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鴨数羽 |
良く晴れた師走の空に鳥ひとつ |
冬麗や白鷺の飛ぶ蒼き空 |
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十個浮くすくえば温し柚子の風呂 |
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わびしさは枯木の褐色ちじれ葉よ |
干し柿や枝付きのへた皿に二個 |
もみじ葉に反映きらら川面波 |
石垣も草ら刈られて冬の濠 |
燗酒や辛子の効いたゴボウ天 |
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師走閑 |
冬の路地 |
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紅葉の内 |
石垣も濠も並木も秋の屏風絵 |
川飛沫 |
令和元年(平成31年) 11月のうた
紅葉道 |
野面石にいち |
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紅葉並木 |
ジム終えてフロアで団欒の秋 |
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黄葉や雲一つなき空に映え |
石垣の濠辺の紅葉 |
日を透かす紅葉の先に 冬の塔 |
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冬閑 |
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冬の寺 |
置き瓦 |
夕陽影 |
夕凪の冬濠浮き寝 |
弔いの豪雨を悔やむ冬の駅 |
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一枚葉 |
黄葉の銀杏並木に青い空 |
石垣に冬日 |
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蓮露に人偲ばれり冬庵 |
急時雨コ |
城麓 |
|
冬野分 |
|
石垣の紅色黄色 |
石垣辺 |
たそがれにブレ |
冬の床し |
柏手の響け森中 |
|
昼月に飛行機雲の二本 |
陶器市ひこうき跡や箒雲 |
|
枯葉道 |
秋蝶の三つまつわりて去る川辺 |
枯 |
平成31年 1月のうた
初梅の青空に伸び笑いけり |
春の鳥 |
雪の昼 |
おでん湯気仲間十五の新年会 |
寒風や石垣桝の車門 |
山茶花や船場炭屋の橋の跡 |
|
血の様な落ち葉の色や紅葉道 |
裸木で鵜の毛づくろい冬濠辺 |
山茶花の揺れて垣根の船着き場 |
カワセ |
老木の骸木並ぶ冬の土手 |
も |
泳ぎ終え骸木眺め日向ぼこ |
冬の森 |
土手つもる落葉の色や赤ワイン |
濠の森 |
|
大食堂 |
パ |
熱燗の冷める速さや老いの酒 |
|
山茶花の芯の黄と紅垣続く |
|
根 |
|
大天守 |
|
土手続く遠く櫓の唐破風 |
年頭の会におでんの湯気温し |
川濠の間道は冬 |
冬日向 |
冬の枝 |
|
障子引く冬のガラス戸 |
冬濠や鴨らの羽音響く森 |
|
戦がずに並木骸木さす夕陽 |
子等走る揚がるカイトの糸の張り |
しめ飾り玄関表ドアの上 |
平成30年 12月のうた
冬の駅 |
たい焼きの湯気頬張りて師走街 |
寒風の老木の枝 |
門松のしつらえ終えし縄に蔕 |
老木や枝を凍らす風の音 |
日の当たる石垣に居る冬の鷺 |
人めける師走川辺の紅もみじ |
色もみじ時雨川辺にひとつ立つ |
|
冬濠の水嵩上がり鷺ひとつ |
小鷺餌探す岩場や狭き場所 |
|
街外れ師走人無き瀬音道 |
鴨の水脈五つ揃いて温め合う |
温かく光る二重の網の蜘蛛 |
|
巣の二つ親子の蜘蛛や空に這う |
|
水残る冬濠に餌を漁る鷺 |
時 |
先 |
|
ふと遠く飛行機雲の見える冬 |
|
濠寒し石垣除草の筏船 |
|
僧二人正座対話の背に紅葉 |
|
年の暮れきらめく滝の凍る前 |
積む枯葉カサカサ風の挽歌かな |
|
碧空に三つ芯束太き紅椿 |
放生会 |
浮くもみじ下の緋鯉がのぞきけり |
|
根につもる葉らの紅葉に時雨かな |
|
二重ドア人の入れば紅葉もふえて |
|
冬雲に入る飛行機雲の帯 |
|
色と |
石垣にもみじの雲や日向道 |
平成30年 11月のうた
濠辺の並木 |
枝揺れて千姫の碑にもみじ風 |
|
城 |
冬のきらめきライテ |
冬スイム |
乾麺の皿そばうまし冬の午後 |
冬茜 |
|
寒風に巣糸を重ね |
どんぐりを拾う子等さす夕陽かな |
枯古木 |
|
紅葉の枝そよぎおり夕茜 |
光る濠 |
|
瀬音と鴉 もみじ道の静寂 |
|
黒揚羽 |
昼の月 |
伊達綱の大きく揺れる秋祭り |
|
霜月祭 |
|
山茶花の今年初見の色は白 |
|
揺れ騒ぐ擬宝珠伊達綱秋屋台 |
森小春
|
石垣の上も濠辺もすすき道 |
栗菓子を二つ食べての紅葉かな |
|
樹を抱く蔦の枯葉等そよぐ道 |
虫喰いの枯葉ら瀬音に震えおり |
帰校時に公園に子等 |
|
茶の湯井の大空高く飛行機の雲 |
|
色違う紙垂持ち寄れる世話人ら |
|
濠辺の時雨 |
|
秋蝶の黄色ひらひら葉の間 |
爺の前 |
平成30年 1月のうた
樹騒めく風の通い路空へ抜け |
投げ入れの壺に小紅の肥後椿 |
|
大寒のプ |
大寒の川堰澄みて立ちし鷺 |
木蓮の芽の綿帽子 |
枯れ枝に黒瞳の鳥の影ひとつ |
枝や葉に凩の去る跡なびく |
楓らの枝葉ゆさぶり風の去る |
緋の楓に覆われ裸婦の名はフロ |
薄氷の池囲む垣 |
|
凍てる川 |
|
黄昏の紅のカアテン冬の宵 |
昼飲みの地蔵堂 |
|
城の森 |
白鷺の背を丸め立つ冬日なた |
冬毛鷺 |
美しや七草粥に梅ひとつ |
凧一つヒラメとまがう海の空 |
餅の入る豆乳鍋や松の内 |
|
凍てし月 |
寒風に白鷺数羽 |
|
白鷺の六羽立ちおり冬の川 |
凧あげの子等の走れる笑い声 |
|
正二つ小山登れり子ら連れて
|
破魔弓を持ちて着物の三の丸 |
ゆずり |
|
丘の上 |
|
山茶花の青空に映え紅すがし |
|
元旦や星見る寺に鈴の音 |
|
凍てる葉に白鷺の糞 |
初日の出 |
平成29年12月のうた
凧揚げの袋が並ぶ入り口 |
晴れて澄む川底漁る冬の鴨 |
|
雑踏と田を行き来する師走なり |
賀状終え陽射しの道に葉ら転ぶ |
空青く烏や枝で寒太鼓 |
木目込みの戌並びおり師走町 |
南天の実 |
丘上の枯れ木の揺れの風の道 |
吾剥きし干し柿 |
去り揺れる暦一枚 |
|
冬畑 |
|
尖んがれる枯れ大木の温き幹
|
石垣に光るすすきら続く濠 |
|
逆立ちし底の餌探す冬の鴨
|
歳 |
路地出れば冬囲みする平屋かな |
天井の照明隠す障子貼 |
風防ぐ石垣の裾 |
久し会う友は大きなマスクして |
|
五十年話せり師走五十分 |
受け寒し厚き葉書や喪中知る |
|
新年を迎う草刈り光る濠 |
旅人の行 |
|
影避けてそぞろ歩けり路地師走 |
冷え込みて川から濠へ移る鷺 |
隅櫓 |
|
大銀杏 |
|
水辺沿い千姫の道 |
|
苔むせる石垣に這う蔦や櫨 |
|
白亜なる天守の鯱と森の鵜 ら |
冬楓 |
平成29年11月のうた
白鷺の冬餌を探す雨の川 |
冬の園 |
|
冬晴れて楓並木の空へ風 |
紅葉下 |
冬薔薇 |
万葉という冬薔薇 |
|
サルビアのレオカンサ群れ続きおり |
松ぼ っくり冬枯れ池に落つ数多 |
野仏に降る枯葉 |
並 |
冬楓 |
千日紅 |
冬木蓮の枝先の芽や綿の如 |
|
川餌得て冬毛白鷺羽ばたけり |
|
赤映える枯葉らの先白き城 |
冬茜 |
陽の灯す紅葉の炎 |
のたのたと冬の川瀬を鴨五匹 |
野面積み石垣に這う蔦黄なり |
渋柿の多く届いて吊るしけり |
|
白櫓 |
冬落葉 |
|
冬雨や枝葉く |
並木道 |
|
野面積み石垣に這う蔦黄なり |
寒し瀬を砂利這い上る鯉一匹 |
|
|
裾紅葉 |
|
櫨 |
|
冬晴れて赤き長椅子 |
|
蝶の羽根震える影の枯れ葉かな |
雲一つなき秋の空 |
平成29年1月のうた
寒風を避けて潜れる尾出し鴨 |
冬晴れて飛行機雲の追う二筋 | 春隣 |
川凍る空に白鷺鳴きゆきて |
銀世界 |
冬の雷 古木の天を裂く如く |
冬晴れて白く輝く山の道 |
誰覆う根を覆い盛る冬やさし |
|
トロフ |
サク |
|
山茶花や紅に雪載せ芯黄色 |
大寒や流れのままに滝さがる
|
初 |
行燈の様な街灯 冬川辺 |
雪の川 |
雪さかん今朝も川中 |
薄氷や透けて緋鯉の鰭揺れて |
冬瀬音 |
雪もやい石垣濠辺枯れ木道 |
大天守 |
木枯らしや青さぎとまる朽木かな |
寒風に巣網繕う女郎蜘蛛 |
冬 |
冬しぐれ中洲の鷺の冬毛立つ |
紅葉の覚悟の赤か流れけり |
右は川左は濠の冬の道 |
子等帰り静かな飛沫 |
山茶花や道に落花の紅散らす |
凧あげや |
庭 園 の 滝 水 濠 に 春 隣 |
凧三つ空からにらむ目玉六つ |
父追 |
鴨 の 水 脈 そ よ ぐ 風 な り 枯 尾 花 |
しまい風呂出れば明けて湯の香 |
晴れ 詣 |
除夜の鐘 |
元旦の陽だまりの中孫走る |
神棚の上に雲の字 |
三代がキリン眺めるお正月 |
大晦日 |
畳の目 |
天 |
しめ飾り三歳の子の手にカメラ |
平成28年12月のうた
冬 |
生き物か |
水鳥と冬毛の鷺や中洲立つ |
煤逃れ川辺の鴨と日向ぼこ |
南天の赤き実洗う時雨かな |
石垣の草取り冬の濠さらい |
冬の川鷺の見上げるヘ |
寒し朝 |
綺 羅 無 尽 冬 の 川 面の 波 の 棘
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健やかな朝の挨拶 |
濠に逃げ火事を見つめた冬の夜 |
窓拭きを終えて布団を干す日かな | 紅葉透け柳の奥に白き城 |
女郎蜘蛛 |
山茶花の垣根の上に姫路城 |
木枯らしの枯れ木に一羽鷺とまる |
はやぶさの黒目やさしき冬の空 |
街灯の上の鷺 |
艶歌ジ |
寒空に網を張りたる蜘蛛ひとつ |
虫食いの枯れ葉三枚風に揺れ |
地の見える枯れ木間の昼の月 |
冬休み立ち話する停留所 |
紅葉降る仰げば空に白き城 |
青空や枯れ木がオブジ |
冬晴の賑わう枯れ木丘の上 |
日照り雨 |
冬の川水澄み鷺の黄なる足 |
暖房に厚いカ |
小雀の小枝を揺らす冬小道 | 泳ぎ後の喉にやさしい蒸気風呂 |
狂い花 |
寒鴉
落葉を漁り飛び去りぬ |
蔵の傍 |
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冬の庭樹に大小の黄色の実 |
鳰ふたつ凪いだ濠面に輪も二つ |
冬空に溶け込み潜む女郎蜘蛛 |
白鷺の眠る森上
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冬の朝 |
冬の窓
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木 |
窓磨き冬の夕暮れ染まる部屋 |
平成28年11月のうた
障子まで赤く染め抜く床紅葉 |
ビル天辺の玄き温泉 冬星座 |
冬の雨 屋根に滴の音続 |
冬日暮れ遠くの山や朱に染まる |
池囲む山茶花の垣 地蔵堂
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鰯雲 高い石碑を下げる寺 |
すすき道 老婆連れ行 |
緋の葉風 瀬波輝 |
冬サウナ外人の出はイスラエル |
山茶花の花芯に蜂の黒き帯 |
黄落や土のかおりの瀬音道 |
冬晴れや鳥ら |
櫨紅 く 葉間に映える白き城 |
洟垂れて病院に行く黄落の路 |
旅終えて帰れば紅葉八入雨 | 石垣を隠す多色の紅葉かな |
宙 |
川と堀 鷺飛ぶ冬の狭間道 |
柿の葉を八入の色に染める雨 |
翡翠飛ぶ木に居て去りて瀬音かな |
生姜湯を呑みて聴きおり古き歌
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日なたから染まる紅葉の万華
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枯れ葉道 |
冬の実のぶら下がりおり川辺道 |
樹間から逆光キラリ踏む枯葉 |
抜ける空 |
青 |
ま |
斜め見の時針に慌
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時 冬 |
パソコンを叩いて日暮れ肌寒し |
落陽の帰路は黄落 夕餉道
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撮 |
園入れば銀杏の先に大噴水 | 小雨降る九分の坂 秋の旅 |
ケ |
黒蜻蛉 二匹居る様 石の影
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忌中明け また喪の知らせ冬至かな |
夜間飛ぶ機影と月を映す海 |
寒き日の予防注射の返事小さき |
秋月や高雄の犬を照らしおり |
冬外来 柱の上のマ |
写真展 帰路は星降る枯れ葉道 |
フロア |
樹 |