令和 6年 11月のうた

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こ雲

城の櫓を映す濠

 

木枯らしや涼し気に笑む鬼瓦

冬の枝

葉の色変えて風過ぎる

冬隣り

来て去る風に揺れる葉ら

霜月や

逢い寄り生まる事多し

鰹のる湯豆腐の湯気

冬の膳

出汁色がうまいと叫ぶ大根煮

脂のる焼鯖あてに燗の酒

色草の石垣屏風

歩の旅

 

冬桜

碧空近



にけ

笑むよ

に跳んでる鴉

口に柿

霜月や注連縄囲む城下町

木枯らしの色草揺らす長石垣

 

冬隣り石垣濠の草屏風




 






霜月や尾のゆったりと濠の鯉

白い月

冬の法華の寺の上

 

冬泥濠

尾で濁らせる緋鯉かな

 

鬼瓦

霜月宮の千輪


冬隣り遅く澄む川静かなり

冬隣り温石に坐し空仰ぐ

石標そばに座りて芒見る

晩秋や侍屋敷の朽ちる鋲

 

大蒼空ひろ

集まる黄の野菊

石垣の草に覆われ冬隣り

秋閑か濠にあお鷺じっと立つ

鵜と鷺の居る濠辺径

小春かな

すすき揺れ濠の出島に鯉数多

秋の暮れ櫓の近く鴉鳴く

霜月祭

太鼓の音よ魚焼


令和 6年 1月のうた

晴れて善し寒波の中の日和かな

 

 

裾池よ天守と花を映しけり

冬の城

武蔵の己

見る小部屋

寒雀

下山の道の石蛙















ピシッと鳴る坐禅の僧の吐く気霜














地震津波

塗り
ものの里



気霜

能登へ行く応援隊の声やさし

 

素手マイク凍れる知らせ地震の跡

大寒気

小さくなりし寝息かな




闇  




大寒

寒き日や頼る炬燵よ風の音

 

暖房や風強し日の高き音














時と場所

地震津波の理不尽

半島の津波と火災

冬の地震

 

冬晴れて花園を見る天守閣

冬日射し輝く花ら並ぶ丘










大寒や

天守への山茶花の坂

能登地震

集団避難の白きバス

元日や光る門松の南天

下山してとんどにかざす両手かな

 

面影の寒中見舞いの訃報かな

男山

山道入り口

御慶かな

山裾の八つ手の揺れよ

冬瀬音


スの森

今や見渡す城櫓

北風や濠の樹の下

群れる鴨

小寒や床の冷たさ足裏に




群れ







令和 5年 12月のうた

冬濠や白雲ゆったり飛びにけり

 

冬川の曲がり瀬音の響きけり

歳末や鴨南蛮のうどんかな

千の径

キャ

スルコ
|

の散歩道

播磨灘巡らし給う文学館

南天の赤が目にしむ裏参道

先を飛ぶ鷺の川辺よ果実の黄

背中寄せ水の字作り行く川辺

三声の鴉一匹

冬の森

どんぐ
りの足の感触

宮参道

冬晴れて眩し
い朝日

瀬音道

 

大空に

泉鏡花の夢の城

冬城や

歩幅を偲ぶ将軍坂

柚子浮いて体ほぐれる冬至の湯

暖房音

眠り
を誘

子守唄

 

夜来の雨の濡れ枯葉

冬の庭

床を掃

音も静かな案内所

風枯れ木

休憩所の暖房音

黄葉の冬木の土手よ

濠の鯉

 

裸木になりつつ落ちる銀杏かな

石垣に這

迷彩服

大掃除

花垣や城池めぐる山茶花ら

靄の朝

しずく
ら光る冬の枝

千の径

石垣濠と川の冬

川端の銀杏を踏めばサクと音

駐車場

南天の垣の紅い実

 

冬日照り雑木林の更地かな

シロトピア子等のマラソン冬日射す

冬西日

煉瓦に映える美術館

城仰ぐ子等の遠足

冬の朝

 

冬森を出れば暖か陽射しかな

冬の朝

足裏冷し廊下かな

エア

ンに




赤の灯りかな

令和 5年 11月のうた






見上げ



異邦人


 

大天守仰ぎスマホの入城者

冬濠傍

降り
て手合わす地蔵堂

寒暖差

銀杏のカ
|
テン黄金色

遠足の児らにごめんねと冬の橋

 

先を飛ぶ鷺の川辺よ果実の黄

背中寄せ水の字作り行く川辺

遠き山

色風吹

や変わり行

冬の川

泡流れ澄む堰の音

顎だして城を見上げる冬の子等

 

吸殻をはじ

指先

停車窓

冬陽射し逆光の並木輝けり

冬の子等つばが邪魔して城仰ぐ

冬晴れて枯葉踏む音の楽しさ

 

寒風にピ
|

|
の音やまぬ気がかり

 

ななかまどベンチに並ぶ赤き実よ

寒気去り鳥の翼も伸び伸びと

冬日さ
す無花果に風

偲ぶ祖母

 

朝の川



波の冬日かな

岩肌が冬陽に光る小山かな

急寒気はげしく響く室外機

 

母の裾か

れる幼女

冬広場

冬濠や出島に鵜立つ小自然

冬の城

櫓のつばさ広げた

白壁路

吹かれ模様の枯葉道

 

滝段の瀬音の鯉の冬の園

冬晴れて羽根を温める鵜の立てり

 

我が影のそばに小さな赤とんぼ

 

人かなと思うすすきの冬の朝

もみじ葉の先それぞれの雨の粒


こ数日

日照りの多い冬濠辺

令和 5年  1月のうた

氷上を鳥ら小走り冬の濠

 

冬うらら予定が消えて日向ぼこ

大寒波

素知らぬ顔の瀬戸の海

コロナ禍や異なるマスク其処此処に

 

大寒波

足で炬燵を探り

木枯らしや広場に流る虎落笛

降る雪や白鷺城に鷺ら飛ぶ



オンの並ぶ三つ星

薪能

冬の晩おでんが馳走あ
ったけえ

雪催

軒影薄

日のかげり

 

日向ぼこ芝生で見上ぐ冬の空

寒雀

共に飛び立つ茂みから

熱燗や十年来の大寒波

寒鴉

森に仲間を探す声

 

冬の鷺

櫓の上の大天守













寒げいこ狙いは最中か善哉か

初日の出

けりつ

兆し何もかも

 

長閑な日

延寿に効

か七草粥

冬の味

淡き料理の柚子

冬の園ベンチにとまる蛾ひとつ

 


人部屋

顎マス


て眠る床

冬夕べ聖堂の鐘

響きけり

聖堂の鐘音響


冬の宵

西日射す天守

枯木に透けて見え

 

早朝の暖房の音ほ


する

妹背橋

川面き
らめ

瀬音か

 

 

鴨ら水脈きらきら光る冬の濠

門松に大壺の花

射す朝日

寒の入り皮の手袋マフラ
|

新日めく


カレンダ代えて広き壁

令和4年  12月のうた

大木の幹いくつかの土手続く

 

 

冬の朝

畑の草に光る露

 

冬キララ光の濠に鴨ら浮く

柚子が浮く背中に触れる冬至風呂

自衛隊

冬石垣の草を

冬の濠

鷺の餌追

水鏡

 

友の居ぬ店のぞき見て師走来る

満席の張り紙太字

師走かな

白鷺の黄色の足の冬浅瀬

石垣に梯子の並ぶ師走かな

 

石垣を抱

紅の蔦

冬日指す

空に雲

花園に射す冬日かな

 

冬日浴び人影の行く足の音

冬すずめ川瀬の茂み集まれり

 

川底の形の波よ冬の川












色とりどり小さき花ら冬の園

楼閣の裾の紅葉の瀬音橋

 

凍る濠

急に来る景色の変化

子等笑顔並んで歩く冬小路

川と濠

路に戸惑

冬の旅

風の日や白鷺ら飛ぶ冬空よ

めぐ


る感触の冬

龍吐水

大青空

紡錘形の枝の黄落

池と滝

歩数の増える紅葉径

 

 

底見える水面を覆う紅葉かな

 

 

寒き日や漆黒の闇のやすらぎ

 

濠辺道

香る無花果偲ぶ祖母

小春日や後ろ荷台に微笑む子




や葉








令和4年  11月のうた

黄なる葉を降らす銀杏の裾紅葉

 

 

冬桜

小さ
き蜂のひ

つ来る

 

空に透け皇帝ダリア揺れにけり

 

庭越えの芒の揺れる瀬音路

小さ
き手

団栗並べ子等拾

コロナ過や店替わり聴く戸惑いよ

 

 

歩けど
も歩けどぬけぬ紅葉山

飛び跳ねて鯉の音する秋の庭

花手水

頭上に紅葉透けて揺れ

大パノラマ長石垣と濠の秋色

 

廃線路




スモスの頼も

紅葉道

ふと自転車の通学路

初戦勝つ雲ひとつなき青空よ

床を出て聞く雨音よ肌寒し

 

城櫓

広がる秋の裾模様

























石垣を覆う蔦らのア
|
トかな

 

虹のこ
る朝の挨拶

声と
おる

脱いで着て変動気温の秋な
りや

砂場秋

親子笑顔の滑り台

霜月や皆既月食赤い球

濠風や石垣沿いに色変化

フウフうと生姜醤油のおでんかな

秋風や雲の様見る生まれ消え

 

 

秋暑き木漏れ日道を歩みけり

 












秋晴れて広場のヨガの爽やかさ

城仰ぎ枯葉踏む音サクと鳴る

雲飛んで瀬音並木の紅葉よ


令和4年  1月のうた

薄氷や緋鯉静かに濠の底

 

野良猫の冬の宿なる茂み穴

出初式

天守に水の輝け

 

草を刈る高き石垣

冬の濠

 

紅椿

葉陰瑠璃色小粒な

山茶花や敷く紅つつく鳩数羽


んどの火

投げ込むたびに荷の消え

 

小鴨五匹

揃い尻見せ底さ

飛ぶ鷺の大きな羽根よ冬の濠

山茶花の並木トンネル野良の行く

熊手持ち参道歩む

とんどの日

 

大寒や

素足の廊下ぴ



猫の朝

暖房音に背伸びかな

 

寒行や諳んじる経聴く小路

冬木立

連立小天守大天守

 

コロナ禍や花ら数多の冬の園

冬濠の風よけ日向

浮寝鴨

知らせ打つ指のかじかむ地蔵堂

とんどすみ七羽の子鴨飛び立てり

 

山茶花の日照りの雨に輝けり

小春日や共に声出し鴨ら行く

枯尾花

鴨らの水脈のそよぎけ

山茶花や日に照り映えて白鷺城

緋毛氈膝に城見る人力車

晴れて善し十日えびすの天守閣

冬広場

城へ響け
と音楽隊

 

 

冬の川

首を羽根に埋め
浮寝鴨

 

冬の鵜ら

鷺と鴨らに追われたり

石垣の草刈りの音

冬の濠

正月や

ごまめらの目の皆揃う

冬川に足透け見えり泳ぐ鴨

令和3年  12月のうた

幹に瘤

人無き並木凍てつけ

 

天駈ける雲のけり去る寒さかな

山茶花の並木の奥に麒麟なく

紅花や枯れ木に透ける白き城

 

長濠に石垣の櫨揺らぐなり

 

木枯らしや雲を飛ばして破風叩く

 

いつもいる緋鯉一匹

冬の濠

小物入れ集めて洗う師走かな

鴉鳴く川の瀬音も凍てつけり

寒風の歯ざわり甘し柿喰らう

柚子風呂や八個浮かびて葉付きあり

冷え冷え


ロナ禍の中

光る月

長石垣に梯子の数多

歳の暮れ

暖房の音にゼロ戦

偲びけ

冬日向

空と路地から鳥の声

 

あおむけに師走の庭の日だまりに

サクサクと芝生の上の枯れ葉かな

雲ひとつなき冬空に昼の月

土手上に無き老木の冬の空

 

濠鴨ら

冬空ひろ
し雲も

城の庭

山茶花並木

鳥ら鳴

 

樹に鴉

冬濠二羽の浮き寝鴨

杭仕切り先にトンボの赤夕焼

そぞろ寒

堂のベンチの荒瀬音

干魚の骨まで喰らう熱き燗

 

黄落や並木の先の五輪跡

さっぱりと枯葉の流る瀬音かな

 

苔瓦並ぶ露地なり紅葉時

山茶花の落花の森に潜む猫

冬空に雲まとわせて白鷺城

石垣の紅葉の下に鴨九羽

令和3年  11月のうた

 

 

燃え映える濠辺の紅葉鷺の森

風そよ
ぐ紅葉色ず

白壁路

霊苑の納骨堂の冬ひなた

 

酒を酌む強き藁火のタタキかな

 

照明の白亜城

銀杏の黄葉

 

 

枝先の木守柿

軒の吊る
し柿

外苑の銀杏並木よ五輪去る

吹き溜ま
り枯葉踏む音

森の径

納骨の仏舎利塔の風の音

紅葉背に休む白鷺

森濠辺


ロナ禍の外苑の獅子

冬の空

薔薇香る広き庭園

冬の森

照ら
されて温し石垣

芒かな

空透かし虫待つ蜘蛛の閑なり

 

青葉背に輝

紅葉

逍遥路





紅葉色ず

白壁路

石垣の壁の芒に目立つ櫨

秋濠や下に鴨鯉

飛び
し鷺

 

石垣を映して靡く芒濠

石垣の秋草模様

屏風め

 

白秋や長白壁の好古園

紅葉燃え白亜の天守

枝間よ

濠出島

鴨のタ
ウンにな

にけ

絹雲の飛ぶ逍遥路

金木犀

 

木犀香る




の窓

薔薇ひ

ザリガニを取りし冬至の暗渠路地

 

枝切られ大空の雲

冬至かな

秋水のさらさら光る浅瀬かな

 

大破風

大空に飛ぶ鰯雲

川に立つ鳥影

つるべ落と
しかな

地蔵堂

瀬音と鳥のベンチ秋

令和3年  1月のうた

濠に射す光波寄せ来る春隣

 













冬日向

鳥らの高き枝にそれぞれ

 

末広に狛犬二対

首に注連縄

冬白鷺

餌さ


あてて去る羽音

冬川の底影うつす葉の速し

 

冬日射す枯木に雀群れ来たる



発ち
て日
なた
の木
々に
寒雀

濠傍の小雨の枯木鵜のひ

雲ひとつなき青空に冬の月

冬石垣

上の古木に昼の月

敗荷に数多の雫それぞれの空

樹から鳥二羽遊び出る小春かな

ならされた冬田の畝に猫の跡

コロナ禍や遺産小路に誰一人

 

鴉の巣

吹き飛ばされて枯れ木かな

日向道

冬の濠辺

見上



姿







の風

土手
並木

冬の日向の網日影

 

冬日向

石垣階段に猫細目




な空

枝に鳥来る梅二輪

 

寒雀

茂みを上下往き来し

日向道メタセコイヤの枯れ並木

象の背に雀一匹

菩薩め



ナ禍やビ


ン似た
る鯉の顔

 

氷濠

石垣下に餌追

濠薄氷

石垣の草刈り船

 

門松や注連縄の門ならぶ街

初段踏む

等高線の狭い冬

 

蜜を追う自殺願望の群れ多し

冬川の底石透けて流れ早や

冬雲に本堂不動

鬼瓦

令和2年  12月のうた

城の濠

森蔭の鴨の潜る音

 

枯れ枝の先に蜂の巣

揺れにけ

千社札張られ冬堂



 

鴨の水脈

揺ら
し餌探す白い鷺

門松や竹切り口の笑いおり

コロナ禍や冬空睨む鬼と獅子

 




枯れ






古宮や狛犬の耳の歳月

川蔭に虫柱

砂漠のイナゴめ

冬空に溶け行く雲や碧戻る





濠に数多の浮寝鴨

コロナ禍や数多の鴨の冬の濠

仏舎利塔の影

風鐸の音

冬日向

庭に三つの白き薔薇

爪六本

濠の出島に冬の鷺

 

枯葉


泥の中濠

金の鯉

ビルからの落下音

コロナ禍の花火

山茶花や望城の坂の日向道

老い二人


冬日向

杖の影

 

濠鏡

石垣屏風の師走

白鷺城

緋の具足め


裾紅葉

 

寒雀

茂みを上下往き来し

山茶花に羽音させ行く熊ん蜂

土手紅葉

ブロア
|
吹きて紅の径

冬の亀

日向の岩に長い首

 

冬の濠

黄葉ら降り

る蝶めいて













 

かさ
っとす

参道の黄落葉無尽

冬夕陽

鐘撞棒に光る的

 

土手紅葉

濠に水脈曳

鴨数多

石垣の上の枯葉に蝶の息

 

冬日射す柳のひかる濠の先

令和2年  11月のうた

城の土手

色葉に埋まる紅葉路

 

鰯雲

彫刻の鶴破風に舞

参道や銀杏落ち葉の色の音

 

箒風掃き上げ川へ紅の帯

石垣の色草うつして濠面ゆれ

黄落葉

瀬音と歩む音の合

 

紅葉踏むサクと音する濠辺かな

もみじ葉の虫食い見せて落ちる濠

自転車の灯と枯葉踏む音の群

冬の寺

夕暮れの鐘ひびきけ

枯れ古木どんと突き出て鰯雲



っき ら
っと瀬音の激し冬の川

犬を引く老婆よろける紅葉径

風やみて石垣覆

蔦楓

 

裾紅葉

白き天守に跳ねる鯱

鴨五つ濠の陽だまり曳ける水脈

樹に絡み冬へ色めく蔦楓

鵜の去りて鷺戻りける秋の森

 

黄や赤や吹かれる葉らの高き空

青空や天守鷺飛び裾紅葉

 

芒らの揺れを止めるか櫨の赤

秋雨や寺の螺髪の金雫



こ雲

一葉揺れる虫食い葉

ブロア
|
で枯葉を飛ばす色の波

 

晩秋や屋根の家紋に照る夕陽

石垣に映える櫨の葉

濠面揺れ

 

鰯雲

古木に透けてはやき蜘蛛

晩秋の書展に飛なる遊び文字

 

 

野面積み這う苔と櫨うつす濠

 

コロナ禍を逃げ瀬音道ふかし秋

雲しずか





し白




令和2年  1月のうた

白壁に影落とす陰もみじ紅

 

唐破風

枯木に透けて天守閣

石垣を映して続く冬の長濠

 

ガリ旨し大ネタはまち屋台酒

寒風や残る石垣椅子になり

鼻水に手洗いうがい日なか中

 

自家製のポリ凧上げる城広場

鵜の枝に鱗の羽根をさらす冬

筋波の凪ぎて輝く冬の濠

冬濠辺

羽根が鎧の鵜や枝に

おでん種ぐつぐつ温し屋台酒

 

暖冬の傘に雨音ポタポタリ

冬の雨

素足に下駄の冷た

山茶花垣根老犬の目に映りしか

 

濠の鵜の来たりし枯木揺れにけり

陰木立並ぶ中にも紅葉照る

冬日射す遠景の塔の法輪

 

唐破風ひさしに触れる枯れ紅葉

 

風鐸や塔の庇に冬の風

白壁に紅葉の紅影ほの紅く

 

冬の森ふと川せみを見る川辺

冬の城

唐破風の回廊

冬ばれの突如の雨や葉ら光る 

午後の陽に葉らの輝く冬日かな

 

日当たりの出島に眠る鴨数羽

春の鳥

小さ
き枝にふと来り

 

隅櫓ひそり
と枝に鷺ひとつ

おせち膳

撫で叱られて困る猫

 

 

階段をのぼる手すりの冷たさよ

 

正月や机の上に老眼鏡

 

石垣の素顔を見せる冬の濠

令和元年(平成31年) 12月のうた

去年今年

合掌して聴く鐘の音

 

 

干し柿の数を数える年の暮れ

肥え目立つ野良猫多し冬の園

猫の爪研ぐ濠辺の温き冬

大小の地蔵ら並ふ冬庵

冬のつた目立つ古城の原始林

山茶花の垣根の先に天守閣

師走濠

石垣刈られ凪ぐ光

 

寒行や

法華寺川辺の冬の鷺

南天を揺ら

て突如

鳥の立つ

煤逃れ

濠には鴨と金の鯉 

ひそりと二つ櫓の森に冬の鷺

門松や竹の笑える輪切り口 

残り蝉

白き飛沫の瀬音かな 

何聴くか幹をゆるりと這う蝸牛

 

青き空

山茶花仰ぐ白鷺城

初燈

読経に響


ンの音

寒風に干される柿のすだれかな

 

鴨数羽

石垣刈られ長屏風

 

良く晴れた師走の空に鳥ひとつ

冬麗や白鷺の飛ぶ蒼き空

 

十個浮くすくえば温し柚子の風呂

 

わびしさは枯木の褐色ちじれ葉よ

干し柿や枝付きのへた皿に二個

もみじ葉に反映きらら川面波

 

石垣も草ら刈られて冬の濠

燗酒や辛子の効いたゴボウ天

 

師走閑

石垣の草ら刈る梯子

冬の路地

猫らす
り寄る餌人に
 

 

紅葉の内

り光る夕陽

石垣も濠も並木も秋の屏風絵

川飛沫

紅葉と流る雲しずか

令和元年(平成31年) 11月のうた

紅葉道

濠にパン放る集

 

野面石にいち


の枯葉

黄金道

 

紅葉並木

濠のすすき
と川瀬音

ジム終えてフロアで団欒の秋

 

黄葉や雲一つなき空に映え

石垣の濠辺の紅葉

鴨の水脈

日を透かす紅葉の先に

冬の塔

 

冬閑

法華の山の奥の院

 

冬の寺

賽の河原の積み石

置き瓦

虎吼え笑

冬の路地

夕陽影

荒田の冬の雀ら

夕凪の冬濠浮き寝

鴨五つ

弔いの豪雨を悔やむ冬の駅

 

一枚葉

五葉の葉たそがれの枯れ葉

黄葉の銀杏並木に青い空

石垣に冬日

石らの違

 

蓮露に人偲ばれり冬庵

 

急時雨コ
|
トに隠すカメラかな

城麓

時雨れて入る庵かな

 

冬野分

稲妻光り河口荒れ

 

石垣の紅色黄色

白い月

石垣辺

二羽浮き寝する冬の鴨

たそがれにブレ
|
キランプ並ぶ冬

 

冬の床し


い壁に漆仏壇

柏手の響け森中

旅の冬

 

昼月に飛行機雲の二本

陶器市ひこうき跡や箒雲

 

枯葉道

欄干の鳥枝へ発つ

秋蝶の三つまつわりて去る川辺











森の


平成31年 1月のうた

初梅の青空に伸び笑いけり

 

春の鳥

残りの柿を喰いにけ

雪の昼

灯る街灯黄にぼやけ

おでん湯気仲間十五の新年会

寒風や石垣桝の車門

山茶花や船場炭屋の橋の跡

 

血の様な落ち葉の色や紅葉道

裸木で鵜の毛づくろい冬濠辺

山茶花の揺れて垣根の船着き場

カワセ

の低空飛行

冬の川 

老木の骸木並ぶ冬の土手  
















泳ぎ終え骸木眺め日向ぼこ

冬の森

濠面の影に鴨ふたつ

土手つもる落葉の色や赤ワイン

濠の森



枝影

鴨ふたつ

 

大食堂

皿そば熱き老い独り





の復元作業

冬深夜

熱燗の冷める速さや老いの酒

 

山茶花の芯の黄と紅垣続く

 

 






日向






 

大天守

唐と千鳥の大破風

 

土手続く遠く櫓の唐破風

年頭の会におでんの湯気温し

川濠の間道は冬

波の筋

 

冬日向

枯れ木に透ける天守閣

 

冬の枝

羽根が鱗のつがいの鵜

 

障子引く冬のガラス戸

光る露

冬濠や鴨らの羽音響く森

 

戦がずに並木骸木さす夕陽

子等走る揚がるカイトの糸の張り

しめ飾り玄関表ドアの上

平成30年 12月のうた

冬の駅

竹刀袋の人らの背

 

たい焼きの湯気頬張りて師走街

寒風の老木の枝

槍の群れ

門松のしつらえ終えし縄に蔕

老木や枝を凍らす風の音

日の当たる石垣に居る冬の鷺

人めける師走川辺の紅もみじ

色もみじ時雨川辺にひとつ立つ

冬濠の水嵩上がり鷺ひとつ

小鷺餌探す岩場や狭き場所

 

街外れ師走人無き瀬音道

鴨の水脈五つ揃いて温め合う

温かく光る二重の網の蜘蛛

 

巣の二つ親子の蜘蛛や空に這う

 

水残る冬濠に餌を漁る鷺














っぽの紅いもみじ葉風に揺れ

 

ふと遠く飛行機雲の見える冬

 

 

濠寒し石垣除草の筏船

 

僧二人正座対話の背に紅葉

 

年の暮れきらめく滝の凍る前

積む枯葉カサカサ風の挽歌かな

 

碧空に三つ芯束太き紅椿

 

放生会

芸妓と行者共に合掌

 

浮くもみじ下の緋鯉がのぞきけり

 

根につもる葉らの紅葉に時雨かな

 

二重ドア人の入れば紅葉もふえて

 

冬雲に入る飛行機雲の帯

挽歌

 

色と


りの山茶花の垣

池囲む

石垣にもみじの雲や日向道

平成30年 11月のうた

濠辺の並木

枯れて一本道

 

枝揺れて千姫の碑にもみじ風

 











冬のきらめきライテ

ングの街

冬スイム


|
ン飛沫で消す業火

乾麺の皿そばうまし冬の午後

冬茜

街道沿いの虫小窓

寒風に巣糸を重ね

おやこ蜘蛛

どんぐりを拾う子等さす夕陽かな

枯古木

先に一羽の鴉立つ

 

紅葉の枝そよぎおり夕茜

光る濠

紅葉の石垣続

 

瀬音と鴉

もみじ道の静寂

 

黒揚羽

枯れひまわり
を飛ぶ挽歌

昼の月

電線もなき秋の空

伊達綱の大きく揺れる秋祭り

 

霜月祭

街を注連縄囲みおり

 

 

山茶花の今年初見の色は白

 

揺れ騒ぐ擬宝珠伊達綱秋屋台

森小春

蜘蛛も温そ

糸光る

 

石垣の上も濠辺もすすき道

栗菓子を二つ食べての紅葉かな

 

樹を抱く蔦の枯葉等そよぐ道

 

虫喰いの枯葉ら瀬音に震えおり

 

帰校時に公園に子等

冬茜

 

茶の湯井の大空高く飛行機の雲

 

色違う紙垂持ち寄れる世話人ら

 

濠辺の時雨

紅葉の挽歌

 

秋蝶の黄色ひらひら葉の間

爺の前

幼児



ち陶器市

平成30年 1月のうた

樹騒めく風の通い路空へ抜け

 

投げ入れの壺に小紅の肥後椿

 

大寒のプ
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ルで逢える子等しぶき

大寒の川堰澄みて立ちし鷺

木蓮の芽の綿帽子

温き風

枯れ枝に黒瞳の鳥の影ひとつ

枝や葉に凩の去る跡なびく

楓らの枝葉ゆさぶり風の去る

 

緋の楓に覆われ裸婦の名はフロ
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薄氷の池囲む垣

山茶花よ

 

凍てる川

飛び去る鷺の羽先割れ

 

黄昏の紅のカアテン冬の宵

昼飲みの地蔵堂

冬川辺

 

城の森

冬巣ご

りの鷺数羽

白鷺の背を丸め立つ冬日なた

冬毛鷺

泥の川立つ雨の中

美しや七草粥に梅ひとつ

凧一つヒラメとまがう海の空

 

餅の入る豆乳鍋や松の内

 












寒風に白鷺数羽

城の森

 

白鷺の六羽立ちおり冬の川

凧あげの子等の走れる笑い声

 

正二つ小山登れり子ら連れて

 

 

破魔弓を持ちて着物の三の丸

 

ゆずり


年初の車

晴れた朝

 

丘の上

枝の姿や血管の様

 

山茶花の青空に映え紅すがし

 

元旦や星見る寺に鈴の音

 

凍てる葉に白鷺の糞

落ちて

初日の出

窓の布地を染め上げて

平成29年12月のうた

凧揚げの袋が並ぶ入り口

  晴れて澄む川底漁る冬の鴨

 

雑踏と田を行き来する師走なり

賀状終え陽射しの道に葉ら転ぶ

空青く烏や枝で寒太鼓

木目込みの戌並びおり師走町

南天の実

光り

り日影道

丘上の枯れ木の揺れの風の道

 

吾剥きし干し柿

皿に二つあり

去り揺れる暦一枚

暮れの夜

 

冬畑

鳥かじ
る跡残る柿

 

尖んがれる枯れ大木の温き幹

 

石垣に光るすすきら続く濠

 

逆立ちし底の餌探す冬の鴨

 











路地出れば冬囲みする平屋かな

天井の照明隠す障子貼

風防ぐ石垣の裾

鷺二つ

 

久し会う友は大きなマスクして

 

五十年話せり師走五十分

受け寒し厚き葉書や喪中知る

 

新年を迎う草刈り光る濠

旅人の行

先の雲

冬の鐘

 

影避けてそぞろ歩けり路地師走

 

冷え込みて川から濠へ移る鷺

 

隅櫓

冬の機の曳

線白

 

大銀杏

枝先を飛ぶ鰯雲

 

水辺沿い千姫の道

紅葉路

 

苔むせる石垣に這う蔦や櫨

 

白亜なる天守の鯱と森の鵜 ら

冬楓

裸像らに炎
を着せにけ

平成29年11月のうた

白鷺の冬餌を探す雨の川

 

冬の園

花らが囲む遊ぶ子の像

 

冬晴れて楓並木の空へ風

紅葉下

泥池に蒲の穂の立つ

冬薔薇

奥に一輪立ち
し白

万葉という冬薔薇

陽だまりに

サルビアのレオカンサ群れ続きおり

松ぼ
っくり冬枯れ池に落つ数多

野仏に降る枯葉


数多なり












冬楓

五葉の葉らが陽になび

千日紅

群れ続きお
り枯池辺

冬木蓮の枝先の芽や綿の如

 

川餌得て冬毛白鷺羽ばたけり

 

赤映える枯葉らの先白き城

冬茜

白鷺数多



陽の灯す紅葉の炎

瀬音路

のたのたと冬の川瀬を鴨五匹

野面積み石垣に這う蔦黄なり

 

渋柿の多く届いて吊るしけり

 

白櫓

紅葉散らす裾模様

冬落葉

地に貼り付いて多色な

 

冬雨や枝葉く
っきり地の落ち葉

並木道

葉色先へと枯れ進む

 

野面積み石垣に這う蔦黄なり

 

寒し瀬を砂利這い上る鯉一匹

 

 

 

裾紅葉

空に雲掃

白き城

 






の炎
の垣に揺れ

 

冬晴れて赤き長椅子

抹茶席

 

蝶の羽根震える影の枯れ葉かな

雲一つなき秋の空

一点一機


平成29年1月のうた

寒風を避けて潜れる尾出し鴨

冬晴れて飛行機雲の追う二筋

春隣

曲がり
て枝の天へま
っすぐ

川凍る空に白鷺鳴きゆきて 

銀世界

電線に烏と
まれり

冬の雷

古木の天を裂く如く

冬晴れて白く輝く山の道

誰覆う根を覆い盛る冬やさし

 

トロフ
ィを得た気にさせる寒椿

サク
ッザ
ック

と初雪を踏む音静か

 

山茶花や紅に雪載せ芯黄色

大寒や流れのままに滝さがる

 






と足




行燈の様な街灯

冬川

雪の川

中洲よ
り入る鴨四つ

雪さかん今朝も川中

白鷺ひ

薄氷や透けて緋鯉の鰭揺れて

冬瀬音

白鷺の立つ波険し

雪もやい石垣濠辺枯れ木道

大天守

小天守二



木枯らしや青さぎとまる朽木かな

寒風に巣網繕う女郎蜘蛛












 

冬しぐれ中洲の鷺の冬毛立つ

紅葉の覚悟の赤か流れけり

右は川左は濠の冬の道

子等帰り静かな飛沫

瀬音道

山茶花や道に落花の紅散らす

凧あげや








こち











凧三つ空からにらむ目玉六つ

父追



無邪気な笑い
初詣

 













 

しまい風呂出れば明けて湯の香

晴れ



濠辺白壁



除夜の鐘

ホ|
ムペ|




元旦の陽だまりの中孫走る

神棚の上に雲の字

鏡餅

三代がキリン眺めるお正月

大晦日



カ|
テン曳

日暮れ

畳の目

来し方霞む冬の床













しめ飾り三歳の子の手にカメラ

平成28年12月のうた













生き物か


るまる枯れ葉道に一つ

水鳥と冬毛の鷺や中洲立つ

煤逃れ川辺の鴨と日向ぼこ

南天の赤き実洗う時雨かな  

石垣の草取り冬の濠さらい

冬の川鷺の見上げるヘ




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寒し朝

通りの朝の声

元気









面の


 

健やかな朝の挨拶

師走

濠に逃げ火事を見つめた冬の夜

窓拭きを終えて布団を干す日かな

紅葉透け柳の奥に白き城

女郎蜘蛛

風に揺られて冬の雲

山茶花の垣根の上に姫路城

木枯らしの枯れ木に一羽鷺とまる

はやぶさの黒目やさしき冬の空

街灯の上の鷺

冬濠に飛ぶ

艶歌ジ


商店街は暮れの歌
 

寒空に網を張りたる蜘蛛ひとつ

虫食いの枯れ葉三枚風に揺れ

地の見える枯れ木間の昼の月

冬休み立ち話する停留所

 

紅葉降る仰げば空に白き城

青空や枯れ木がオブジ


隅櫓

冬晴の賑わう枯れ木丘の上

日照り雨

光の筋や紅葉射す

冬の川水澄み鷺の黄なる足

暖房に厚いカ
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揺れる朝

小雀の小枝を揺らす冬小道

泳ぎ後の喉にやさしい蒸気風呂

狂い花

躑躅二輪に冬の雨

 
寒鴉

落葉を漁り飛び去りぬ
 

蔵の傍

古木がす


と冬空に

 

冬の庭樹に大小の黄色の実

鳰ふたつ凪いだ濠面に輪も二つ

冬空に溶け込み潜む女郎蜘蛛

白鷺の眠る森上

冬の月

 

冬の朝

手にそそぐ湯の石鹸の香

冬の窓
磨けば夕陽の放射線













窓磨き冬の夕暮れ染まる部屋

平成28年11月のうた

障子まで赤く染め抜く床紅葉

ビル天辺の玄き温泉

冬星座

冬の雨

屋根に滴の音続

冬日暮れ遠くの山や朱に染まる

池囲む山茶花の垣

地蔵

 

鰯雲

高い石碑を下げる寺

すすき道

老婆連れ行

老いた犬

緋の葉風

瀬波輝

枯れ葉道

冬サウナ外人の出はイスラエル

山茶花の花芯に蜂の黒き帯

黄落や土のかおりの瀬音道

冬晴れや鳥ら








櫨紅


葉間に映える白き城

洟垂れて病院に行く黄落の路

旅終えて帰れば紅葉八入雨

石垣を隠す多色の紅葉かな














川と堀

鷺飛ぶ冬の狭間道

柿の葉を八入の色に染める雨

翡翠飛ぶ木に居て去りて瀬音かな

生姜湯を呑みて聴きおり古き歌

 

日なたから染まる紅葉の万華

 


枯れ葉道

カワセミ飛んで瀬音澄む

冬の実のぶら下がりおり川辺道

樹間から逆光キラリ踏む枯葉

 

抜ける空

白抜き地図の昼の月









竿



















斜め見の時針に慌




 












パソコンを叩いて日暮れ肌寒し

落陽の帰路は黄落

夕餉道

 













  園入れば銀杏の先に大噴水 小雨降る九分の坂

秋の旅
















黒蜻蛉

二匹居る様

石の影

 

忌中明け

また喪の知らせ冬至かな

夜間飛ぶ機影と月を映す海

寒き日の予防注射の返事小さき

秋月や高雄の犬を照らしおり

冬外来

柱の上のマ

ア像

写真展

帰路は星降る枯れ葉道

フロア
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の噴き上げの空島の形















 


 
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