令和6年4月のうた

tyou

あめんぼう青き濠這う森の闇

雪柳

川波瀬音足の音

スカンポの生えた濠辺に金の鯉

タンポポの綿毛の風にそよぎけり

青葉闇

黄小蝶の舞

濠並木

 

胸に子を車に赤子

春の風

藤の房下がりし影に風涼し

搦手の門から仰ぐ白鷺城

椿咲

城の麓の土手の上

エレベ|タエスカレ|タ|スカイツリ|

春列車

上げる背中の大荷物

ちいかわ

ポケモン展示









台湾祭



口に

 

初夏の塔

大地四方を眺めた

 

菜の花や乗

換え愉し電車旅

 

鯉のぼ


たなび

空よ男旅

春晴れてスカイツリ|の大風景

 

八重桜トンネル出れば吾が母校

 

達磨ら
に囲まれ一人

達磨堂

逆光の花

濠面の揺ら
ぎ映し

花筵

踏んで瀬音の苔の径

晴れて

し万朶の桜

青大空

 

皆濡れてほほ笑む様な桜らよ

春雨や背に桜降る濠よ青



ンネル

濠辺岬の車門

似た
る雲

下で桜

ゆれ笑

花満開





すみれ微笑め

黄の帽子列

菜の花蝶に化す

城下町

桜並木に人力
車 

大青空

しだれ桜に透ける城

令和6年3月のうた


紫も白も今朝あう初木蓮

春晴れて濠に
V
字の鴨の水脈

ポケモンに道教えられ春の旅

雫着く花の蜜すう目白かな

山茶花や枝にあるより映えて落ち

 

あご枕

足背に温き炬燵かな

デジタルの時の早さよ春眠し

池澄みて尾の柔らかく春の鯉

ねころんで小川せせらぎ春の雲

美術館

裏手並木の濠の水脈

ウクレレの城にもうすぐ春ですね

春の城

石垣鬼門に目立つ苔

石垣の根石の列よ

春賛歌

 

ちょこまかとシャボン玉追う子等の声

 

春の池

鯉餌投げる子等の声

 

春瀬音

濠か
ら川へ地蔵堂





の前

はだ


春一番

 

春の径

孫の手を引



 

春風や杖音止める花一つ

参道に背に子蛙のみちの春

春歩く鷺よ川中で羽ばたく

春晴れて石垣草の影伸びる

 

桜花



微笑みの城の丘

ほのぼの

微笑み合え
る仲間

春のバス手提げかばんに子犬の眼

山茶花よ裾池囲み城仰ぐ

春の風

腰立てて乗る自転車

千鳥破風

中心に大天守閣

羽根広げ白鷺の如

城櫓

あやめ


濠の小道に今年初

令和6年2月のうた


枯れ木に
くっきり影の並木道

強風の冷気

背にポ



温も













鵜と鴨の出島で休む濠の春

独り行く豪華な春の小径かな

 

頭掻き足かく水脈よ春の鴨

葉ら光り樹の芽膨らむ空碧き

春風や外人笑顔の城下町

入試日や駐車禁止とガ|ドマン

城下町

堤の壁の狭間径

春隣り同行二人のど真ん中

ゲ|ムする申告順の椅子の列

風温む散る山茶花の豪華径

 

シテ柱

親父を偲ぶ能舞 台

 

雨水



濠石垣




とんど火や背に賽銭の石蛙

 

 

春隣り面影偲ぶ同窓会

 

ロゼワ

ン海老天喰ら

春隣

将棋指す咳と涙の花粉症

土手の樹の切られ青空広がれり

雨水の日ゆるむ笑顔の温かさ

 

春雨の出島に鴨の五羽眠る

同窓の訃報よ窓は冬夕焼

道し
るべ

ならぬはならぬ文字の跡

おだやかな着地の音よホットする





中道晴れて枯れ並木

鴨集う春のいぶきよ瀬音聴く

微笑みを誘う小さき芽吹きかな

丘の森

寒空



箒か

令和5年4月のうた





ピア

天守の裾の群れつつじ

 

城の夜

彩雲め

サ|チ


滝つぼに落ちる飛沫よ山の音

男山から姫山の城望む春

 

空中で止ま
って飛べる熊ん蜂

丘の上

今日も出合えた花ら
かな

竿先の魚の光

や春の波

人力車

城仰ぎ見る客二人

総会へ花見て路に迷いけり

森行けば

日陰に風の揺ら
ぎ見え





鎮座す武者の鎧かな

 

幼子の髪をなびかす春の丘

京へ行く車窓の瀬戸よ春の波

山水の滴り手水しみる喉

 



レらよ目に余るよな茂る草

 

つつじ群れ熊ん蜂飛ぶ丘の上

 

瀬音道

若葉が風に大笑い

 

春急雨

社の時計刻む音

 

春雨や小花ら生き生き塀の壺

春さむや雨音ひとり聞く社

石庭を囲む躑躅ら小山並み

石しぶき木葉ら光り賛歌めき

 

炎症の兆しにおびえ寒し春

帽子飛び慌てて走る春川辺

紅つつじ

群れて並木の風に揺れ

花水木

景色を変え
る並木道

胸毛吹

鷺の不動よ春の風

春風や杭立つ鷺の胸毛揺れ

落ち椿

芯の黄色の目立ちけ

犬引く子母は子を引く桜道

令和5年3月のうた


濠並木

小蝶の様に桜降る

 

城の土手

桜に透けて落椿

 

落ち椿

踏むのを避けて足さばく

 

小花らの向こうにしだれ桜かな

雨上がり晴れて青空笑う花

春雨やキラ
ット雫ひかる花

歩を休め蓮華タンポポ眺めけり

学び舎の入り口揺れる黄水仙

 

どの路地も色に魅かれる落椿

ちさき手でどうぞと雛に菱の餅

暗き路地

落椿ら
の明る

春雨の雫の光る花並木

桜道

透明傘の続

桜道

小雨

最中去















桜木の根






鳩一つ

笑い降る子連れ鴨ら
に雪やなぎ

水増して餌狙う鵜の春の川

つぼみ咲け傘音ザア


応援歌

鷺の城

仰ぐ桜の西の丸

 

小天守の窓の金縁光る春

春や春

音の際立つ瀬音道

雲の縁

消えては変わる春の空

バス待ちの聖堂の鐘

春日和

 

大青空

飛ぶ機の雲の薄れゆ

春日射す花園に寝る達磨石

朧日に透け木蓮ら今年又

 

 

春瀬音ついばむ鴨の中洲ぎわ

碧き空

菜の花並ぶ瀬音道

手を払い春山昇る幼女かな

大青空

陽に透け梅の風香る

雛飾りニコリと笑う孫の顔

令和5年2月のうた


春の城

厄神参
りの車列かな

春瀬音

巴の型で鴨浮き寝

鴨十羽

雪辺を昇るゆ



 

すがすがし雪去り日照り光り道

 

渋滞めく茂みの列よ雪の朝

雪解けにす




ろりん油断路

 

春の川堰より先は光り増す

 

下山道

水仙黄芯冴えて揺れ

 

長石垣

石ら
を映す濠の春

 

濠辺路

春まだ浅

手の冷えて





柵の影濃い春ら

春陽射し長石垣の濠の凪

藤棚の段差な




春の道

新街灯

誘われて出る春の園

小雀ら飛び交

並木

春の濠

春陽指す鳥ら

さわぐ木の枝も

男山

蜂が出入

の花園よ

春静か博物館の伎楽面

春の丘

社に響

鈴の音

ゲ|ム打つスマホの指よ春の冷え

 

厄神さん山から望む春の城

濠凪ぎて城と雲とを映す春

雨上がり黄金色なり枯芝生

 

春日和

小さ
き花ら並び咲

浅き春

草ら




陽射し
かな









瀬音

春めいて

 





し手つな
ぐ家族

春日和

春の川

鴨ら
ゆった


波のぼる

春鳥ら狙

は枝の小粒の実

鴨の水脈

濠に二本の

V

字かな

昇る陽や

城仰ぎ踏む霜の音

令和4年4月のうた

夏竹の水琴窟の音の響く

水琴のかすかな音よ夏めく夜

八重桜ひかるきららの鴨の水脈

 

春陽や並木の花と鴨の水脈

鞠はずむよな花道よ八重の径

 

午睡する躑躅の群れの石に猫

唐千鳥

甍の波や春の城

菜畑の野仏にひとつ白き蝶

 

花いかだ岸影にねる鴨数多

青芝

桜の上の昼の月











長白塀

北中濠の桜路

石垣の濠へ雲めく花並木

花浴びる青き芝生や白鷺城

前う
しろ枝垂桜や千の歌碑

山蔭に電話の声よ夏瀬音

花筵

空ける子らのぶら

花浴びて城下る道

雲去来

 

鵯や花の迷路の桜雲

地は桜

雲間に光る機のふたつ

犬と行く日暮れの径の桜かな

春めいて噴水舐める犬の舌

ふくろうの下駄箱の上六つ立つ

 

マスクする人らの上や桜雲

桜並木

長白壁に人力車

長濠の緋鯉ら
の口

花並木

 

川瀬音

ピア
ノの路地を出れば花

風神の音め

太鼓

花並木
















風に濠波

土手桜

花冷えや山裾昏し瀬音道

令和4年3月のうた


逃げもせず鳩とベンチで花見かな



ら雲

橋か
ら眺む千の径

石垣の楼雲仰ぐ舟めぐり

花はずれ茂みに眠る黒き猫

幹に瘤

老木の桜曲が

立つ

オミクロン無人並木の桜路

 

初桜

枝あ

幹に群れ小花

桜路

追われ空

ぽ鵜の巣あ

桜空

石垣濠を行

和船

ル|プバス枝垂桜の脇の駅

桜咲く猫ら昼寝の地蔵堂

 

雛あられ笑いて子等の頬張れり

野良猫の尾を立て駈ける春の土手

誰も居ぬ園の天守の春の月

 

菜の花に上下に二つ紋白蝶





が迷い
こむ庭よ

椿かな

青き濠

カワセ
ミ飛んで花しずか

花風や蕾数多の香り添え

 

水ぬるむ川瀬の鯉








ピア園

木蓮空へ白

館出れば並木に咲う山茶花ら

春風や窓に映りし姫路城

蚊柱の立ち始めたり濠辺道

 

染みのある葉の間から黄水仙

春の濠

首瑠璃色の鴨ら水脈

日はおぼろ鳥らの空よ花畑

 

春瀬音

浅瀬尾びれ

石しぶき

よく煮えたおでんのからし鼻と眼に

綺羅き


揺らす濠波

春の風

春の音

噴水を飲む犬の

土手樹の根

石垣破

濠辺出

令和4年2月のうた


四方か
ら雪踏む戦車

古都の闇

寒風の濠行く鴨の光る水脈

天守背に濠囲む山茶花の垣

春めける川の瀬音と鳥の声

一斉に枝に飛び去る寒雀

春の朝

線香の香の座敷なり

スマホ打つ手に吹く風の冷たさよ

 

黄金の螺髪の光る春の寺

枝切られ城のすべてや冬の空

 

 

東天の明ける光や春めける

魔払いの獅子吼え
る屋根

追儺かな

 

薄氷の下に緋鯉の紅ほのか

イ|グ
レ姫路

天守を映す窓の春

 














山茶花の垣根の上の白き城

蝋梅や痛き足踏み石の径

長閑さ





ピア

冬桜

 

寒鴉

川辺に高

昼の月

大根煮ふいて口中あわてさす





逃げてシ
ャボンを吹

木陰

 

立春や並木の幹をつつ

 

葉一枚

枝先に揺れ鴨数多

 

冬濠や





樹の根

野鳩らの山茶花

紅の土つつく

 

寒雀ベンチの上に集いけ

立春やスマホの中の龍の舞

山茶花の風に跳ね飛ぶ野鳩かな

長閑さやカ|テンの風揺らぐ影


令和3年4月のうた

藤の棚

尾め

房ら
をなぶる風

石垣のくさ目立ちだす城の濠

万緑や仰ぐ白亜の姫路城

 

男山 藤のたなび

姫山へ

コロナ禍や室外機の音耳につく

独りおでんの大根吹く花見かな

 

城を背に映え萌えるなり牡丹園

 

田の端にあやめの群れを見つけたり

螺旋変種菌パンデミ




小蝶飛び空に二本の飛行機雲

 

白砂に眠る子猫も石に見え

池波に合わせて揺れる藤の房

藤棚や揺らして走るマスク人

 

山藤よ楼閣隠し揺れそよぐ 

鵜の止まる老木切られ凪の濠

 

枝くわえ鵜の飛ぶ先や城の森

はな

春宵や鴉の闇へ誘う声

心拍表

感染グ

フ似て上下

羅漢群れ躑躅ら笑い季移ろう

 

春を行

名護山の塔

水尾川

花狭間たくましき土手の骸木





巣の枝

わえ飛ぶ鵜か

 

街角の垣根に垂れるも




 

雨上がり塀越しに見る初牡丹

 

花いかだ吹雪めく花写す濠

草を出る野良猫なぶる群れ躑躅

八重桜ふわりと雀飛び越える

花小路

騒ぐ雀ら橋げたに

花いかだマスク外して眺めけり

鳥らは草に満開の花しずか

 

コロナ禍や独り花見の二年越し

令和3年3月のうた

庭椿見る鬼瓦

昼の月

潜る鳥花から出でる城の森

遠山に桜ちらほら日向道

 

石垣に笑む様な岩

桜路

 

隣は更地

田一杯の菜の花

日当たりに梅透けて立つ丘の上

 

寒雀

日なたの枝に数多居て

春風や鳥巣の高き古き宮

瀬音さらさら菜の花広く黄なる風

山裾に落ちる春陽の赤きこと

 

闇破る杉玉焔

二月堂

春彼岸

赤い陽落ち
る下山道

龍の吐く水音しずか春の寺

 

春日さす濠中島に鷺



凪濠の石垣つづく春日和

 

晴れて善

城見え



入学

枯木透け路地から見える天守閣

春雀ひ






擬宝珠

木蓮の白き焔らの天を刺す

 

 

春雷にマスク抑えて急ぐ帰路

春逍遥





腰に丘下る

寺入れば濡れる椿よ紅の雨

 

寺の春

旗棒に降れる紐の音

 

遠方に城を眺める春の坂

 

春風や椿揺らすか屋根の獅子

春宵や飛行機雲

昼の月

春風や岩になまんだぶの文字

学校の








春の午後

寒雀

胸に柔毛の集まれる

逆光の眩しき梅の華やぎて

 













令和3年2月のうた

春濠辺パンくわえ去る鳥哀し

春堰に羽根鷺めける屍かな

樹の根出る石垣続く春の濠

 

 

ゆる



山茶花の坂

鳥の声

鵯の広き田に去る春日かな

 

春夕べ橋の丸灯にすべる鳩

 

傘松に昼月高く春の濠

春光や浮寝数多の濠の鴨

厄神さ
ん笑

恵比寿に置

五円

 

 

枯木透け今しか見えぬ天守閣

大青空

春濠古木に鵜のひとつ

 

大空へ槍め

枯木

城望む

春めける石垣の上歩く猫

 

春の濠 V字二つの鴨の水脈

日照



蕾膨らむ濠辺かな

春光や白鷺の立つ外濠辺

検温銃

手洗浄し
て記帳の春

 

餌なく去るとさかの目立つ鵜の羽音

堂前の山茶花揺らす目白かな

大青空

高枝に梅数多

 

立春や長柴垣の葉ら光る

 

山茶花や子載せ押し行く母の坂

 

高枝の鵜

夕日に光る嘴よ

 

地蔵前

山茶花咲

垣根かな

冬陽照

川底影の投網め

細き溝

菱波影底のゆるむ冬

野の樹枝

目白飛び来る日向かな

 

枝に来た川蝉狙

春隣

令和2年4月のうた

巣作りや鵜の移り住む鷺ノ森

紋白蝶

黄花の芯に羽根上下

緋牡丹の中に桜の二片つく

 

 

緋牡丹の花弁をまぶす蕊の金粉

藤棚や青空を背に白い藤

八重桜

下にき
ちん

座る猫

竹林を背に八重桜

青き空

金時の乗

泳ぐ空

川辺道

青空に八重の鞠花

揺れにけ

花が背を押す午後の霞かな

小雀や花に潜りて花つつく

 

 

花筏

藻の下尾びれ鯉三つ

鎌首をつつく鴉の初夏の川

 

蟻ひ

つ花枝を這


人不在

八重そよぐ一葉という里桜

 

花筏

川辺のすみれ群れそ

石垣を飛びあがる猫

黒揚羽

踏みて降る花の径

惜しむ春

花垂れて蕾にしずく雨上がり

 

椿落つ黒猫足を揃え座す

鯉跳ねる濠傍



花の下

矢倉背に艪の音軋む濠の凪

毎日を花見て川辺

自粛かな

 

瀬音道

万朶の花の降るや一片


 

川流れ鴨も競うや花筏

 

ス|パム|ン誰も居ぬ道一万歩

花のぼる雀匹たのし気に

土手くぼみ猫のあくびや花並木

瘤のあ
る老木の傍

花の枝

花並木

広い濠行

和船かな

小さき背

エイとぶらんこ花の空

 

花どれも揺れも

て待つシ


タ音

令和2年3月のうた

垣越えて爛漫の花続きおり

 

花並木

川蝉ひとつ古杭へ

 

濠しずか花に首出す亀ひとつ

 

花の下つがいの鴨の泳ぎ来る

 

 

花の下

波に浮き寝の鴨二つ

誰も来ぬ園のぶらんこ寂しげに

巣作りの枝咥え飛ぶ鳥ひとつ

花の間に麒麟

首出すやさしい目

雨上がりつぼみ数多の花しずく

花仰ぐ川辺径

低い白壁

 

 

幹辿る花道

苔の蒼き道

日向径

芽吹きの枝に鳩数羽

背伸びする木蓮透けて炎めく

 

白雲を背に揺れしだれ桜かな

 

ちらほらの花の枝集う雀かな

煉瓦塀あいだの径の蕗の薹

午睡時

叩かれて猫総毛立つ

森静か仏炎疱の水芭蕉

 

春光やさざ波の濠

浮き寝鳥

 

花並木

晴れて和船の艪こぐ音

春の濠わの櫓 下 

手漕ぎ舟

春和船

櫓の濠を日笠九つ

 

あくびする様に口出す春の鯉



 

春の空

読経の風の墓参

 

紅椿

園となりたる長屋跡 

春の鯉あつまる濠と跳ねる川

春の宵

天然色モノクロの石垣路

集まりに行けぬ春来る釣りの浮き

赤信号

鷺の飛び来る白木蓮

白木蓮

城の櫓に昼の月

 

芽吹き時

き樹間に鴉の巣

令和2年2月のうた

握手おも出来ぬ旅人

春の人

春公開

坂の床あ
る太鼓の櫓

まあだだよ

答える春の喜寿祝

渦曲輪

天守の春の眺めかな

 

春の濠はさみ飛び交う鵜と鷺と

煉瓦塀続

梅林

望む城

厄神さん

とんどの傍の梅の花

頂きに来れば梅花のまつりかな




ビダキ

春濠辺か
ら森へ飛ぶ

濠に出た石か

みれば

浮き寝鳥

骸木の古巣に戻り鴉の尾

 

屋台酒

寒風やさ
し星座かな

 
















春木立

仏のみたる夕陽かな

春の鴨

玉虫色の頭掻

 

 

山城の小川濠へと春の滝

ウイルスの風邪はやる街人みえず

石垣の上の枯れ木に巣やひとつ

ウイルスや見えぬ恐怖を見せる春

 

年寄りの運動歩き冬の園

 

箒積む自転車の去る枯れ葉道

唐千鳥破風大小冬城仰ぐ

野良猫の擦りて寄りくる冬の園

 















 

並び立つ紅梅の上

白き月

 

枯木らも山のにぎあい昼の月

追儺鬼

子等を撫でおり袋指

 

冬夕陽

輝き光る木立の間

菌怖し無縄自縛のバス車内

新学期

変える言葉よ僕に俺

掲示板

優しき言葉と焚火かな

 

冬の午後

樹間に丸き陽の光

平成31年4月のうた

黒揚羽

八重の花抜け犬なぶる

 

忘れ傘ジムで手にして八重桜

 

ネの赤と緋鯉の濠辺路

櫓入れ藤棚映す異邦人

土手芝に八重を抜け行く花吹雪

熊ん蜂

藤棚を跳ぶ羽音かな

 











散るベンチ仰ぎあくびの年輩ら

土手芝に揺れる花枝地に近し

濠辺路

咲ける散れるの


ら路

 

色を巻く白波瀬音花筏

 

散る花を見て帰宅せば桜鯛

 

 

 

落花無尽

黄蝶のひ

つ迷い飛び

民謡の聴こえる郷の花見かな

 

水たまり浮いて漂う花弁らよ

樹の陰につもる花弁の川辺道

 

花堰を越え飛ぶ鴨の羽音かな

 

 

花並木

遠くに城の花頭窓

花筏

下に鯉居

大野川

花影の路地の濠辺や影ふたつ

城跡の花に埋もれる鴉かな

花の中ぶらんこ独り漕ぐ少女

桜雲

子等の集ま




 

花の雲ちまと小さき花弁らよ

 

鳥花に埋もれ酔い人ら眠る

花覆
う捨て石垣のベンチかな

 

母と子の撮りあえる花のトンネル

乾杯

紫木蓮

天に伸び

石垣の上の老木

春日差 

 

花揺れて濠も波揺れ鴨ひとつ

平成31年3月のうた

春雨の濠の雨跡

緋鯉ゆれ

五分咲きや傘音瀬音

枝雫

紫木蓮

空へ白な
る裏地み せ

 





幹に

笑い子等はし

 

浮きし鵜の春濠面打つ波紋三つ

灯と城といにしえ偲び春の旅

 

春寒や床から時を呟きと聴く

 






椿一輪

無人駅

 

 

白木蓮去

て紫

つぼみ出る

春寒や外の雨聴く床の中

橋たもと陽と川に映え白木蓮

春寒や濡れ煎餅に熱いお茶

石段の空へと伸びる椿道

山裾の登り口散る紅椿

煉瓦敷く川辺に一つ紅椿

 

鴨八羽

飛び去





風激し波の浜名湖

春の旅

菜の花にまとわれ蜂の羽音かな















小滝から池へ流れる落ち椿

 

煉瓦塀

椿四つの春霞

読経聞

猫のいる部屋

春ひなた

江戸城の石垣すだれ春の風

餅かつぐ孫を見つめる雛飾り

 



すじ
の堰の泡浪

春瀬音

 

温きかな降る雪を解かす敷石

 

櫓背に異なる鵜ねる春堀辺

瀬音遅そ一筋の春うねり来る

 

春風や段の滝落つ望景亭

亀甲塀

先にかすめる春の城

唐門の望景亭の梅の庭

 












平成31年2月のうた

石垣に苔むす春や凪の濠

水ぬるむ瀬音騒がし堰越えの

春雨の上り八羽の鴨下る

 

白鷺の
森に

の冬

鵜ら宿る

春雨や塀に並木の染み造る

 

鵜のひとつ濠に潜りて波静か

山すべて騒がせており竹の秋

 

マラソンの後のざわめき春の

 

櫓背に鵜の毛づくろい冬の濠

木蓮のつぼみの群れに小鳥の巣

 

雨あがり枝らの雫光る春

読経聴く友の好きたる目白来る

 

男山

厄神祭の太鼓来る

鯉潜


輪広がる冬の濠

 

枯れ枝に数多の雫輝けり

食パンの袋の爪や春の貝塚



の庭先

小梅笑え


ワセ

の潜む冬濠

岩の陰

 

 

鱗羽根

乾し
て鵜の枝

冬濠辺

 

雪礫散らがり溶ける午後静か

雪枝にいまは一つの鵜や宿る

 

 

冬の午後

園に溶け行

雪だる

 

風に二羽

石垣の樹に寒鴉

 

 

冬星座

逝き
し友ら
のざわめき

 

鵜も鷺も共に眠れり冬濠辺

 

 

節分や光る酢飯の桶香る

 

霙来るスト|ブ上のごげる餅

 

枝に鵜や時雨に光る鱗羽根

平成30年4月のうた

 

溝に散る八重の花弁の大きさよ

バス去りて花掻き上げて

つむじ

 

八重桜

遅れてゆれる並木風

肥後椿

三毛野良猫の傍の紅

ビル風に耐え揺れる路地

黄蒲公英

白雲に白さ
を聴

よ花水木

蝶遊ぶ離れて高く濠の凪

出迎える駅の並木や花水木

 

春光やさざ波光る須磨の海

 

 

艪の軋み舳先を照らす春の濠

花と葉や老若迷うしだれ枝

熊ん蜂

花弁震わす藤の花

花めぐり石垣桝に風過ぎる

 

白雲や葉桜の上は爆音

花筏ほどけ水面を滑


白鷺の足許分けて花筏

 




 
凪の川面の花

ひとひらの落ちて堰越え花筏












寝返

て花並木

野や花壇

紫木蓮

天押す静か炎な

 

 

黒き蝶

川風吹かれ花めぐ

石垣の続

土手径

花吹雪

花の雲

堤に流れ濠は凪 ぐ

山根道

葉を巻

風に花混じ

 

 

岩を踏む行者道なり花の山

花吹雪めぐ
る深山道険し

 

 

雲ほ

いねだる指先

大海原

 

花降る突如

逃げる
猿の尻

 

弥生朔日青いカ|テンゆれる朝

 

 

空晴れて池に広がる花筏

 

朝行けば雪柳群れ



 

列車か

山河箱庭

花の旅


平成30年3月のうた

蟇に似た腹でシ

ワ|を浴びており

春雨や花を押し出す枝光る

一斉に靡

薄紅

雲の花

泳ぎ終え目洗いの水

背に
も春

小雨来て波風寄せる濠の春

さざ波の濠面揺らして花笑う

木蓮花

霞みの先に城櫓

春の川

瀬音石音温し風

 

紫の木蓮の上

昼の月

鵯の飛び行く先に城の春

 

探梅や日射す丘から城下町

 

草餅を喰えば飛び去る連れの鷺

石垣にはみ出る




手の春

 

小梅咲く息する様に蕊揺れて

 



共に水仙の芯

黄も揺れて

 

春の雪

頭に
のせ


椿

春寒や麻婆豆腐は四川風

バタ足を寝床でしてる子等の春

くぎ煮たく香が漂よえり街の路地

近し



紅付

花の雲

 

 

石垣を押し出すような春朧

春光や孫ら昇りし野面積み

 

老木の瘤の新芽に射す光

水仙の光を受けて土手に揺れ

 

春光や葉らの増す色きらきらと

 

階ごとに待つ申告の春長閑

 

春夜雨し
とどと屋根を叩く音

春の水ク



タ|ンの飛沫飛ぶ

 

春の展

入れば跳ねる木彫り魚

 

看板のヤマトヤシキと春の城

 

塀越しに白梅笑う日向道

平成30年2月のうた















 

春めきて川ざらえ石投げる音













城仰ぐ山茶花根本猫二匹




むシ


タの



脱ぐ厚着

指名待ちおり予約席

 

祭壇の下

水仙もかしずけり

 

 

寒行や僧のはだしの甲に雪

 

卒業か川辺下校時川辺子等遊ぶ

 

濠たた

小輪の数多

寒の雨

寒の月

小さ
き丘に枯れ木影

 

寒鯉の甘露煮の艶

温かき

出入りする度背丸めて隙間風

寒の雨

数多の雫

池を打つ

 

独り居の友増えており追儺会

冬日和川の中道

並木影

春の風

枯木影濃


る並木

山茶花のひそと足元ふたつある

 

 

 














破魔弓の手の響



厄神祭

 

探梅や行けばとんどの厄神祭

木蓮のつぼみの彼方

姫路城

 

梅蕾

丘の中腹の日当た

 

長局まで広く照る冬の城

 

日向道

群れ山茶花の垣の裾

空の蒼

福来る


か風光る

 

熱燗や

おでんに辛子の皿のゆげ

 

春陽射し浴びて鳥らは森へ去る

 

うすらいのせめぎ合う水の棘

平成29年4月のうた


たたねの花揺らす風

猫も寝て

花の房

落ちて続

や八重の道

沿線の花を眺めて音に寝る


|
ル立て爺が庭先

鯉のぼ

















花の下ブロック塀に休む猫












って


幾重の花弁座す牡 丹

掘割の傍

溝に連な
る花絨毯

黄牡丹や

碧き瞳の異邦人

小雨降る鳥の中洲や花筏

舞妓行

石塀小路を出れば花

野面積み石垣を背に白つつじ

雨上がり低き桜に滴の光る

新緑や高きチ
ャペルの鐘の音

雨上がり菜の花の群れ線路沿い

温き雨

枝垂桜の坂の道

菜の花に揺れてひらひら白き蝶

 

雪柳

先の中洲に鴨ふたつ

子ずれ鴨

堰の子を待つ越し
た子

川覆う花を白鷺飛び去りぬ

木漏れ日に笑む野仏の春の山

花時の茂みに遊ぶ雀三つ

枝の鳥揺れて誘われ花を吸う

青い空こぶしをひら
く木蓮華

虫柱

酔客寄せて花盛

花の陰

城閉じ


のアナウ

 

坂のぼり視界広がる牡丹園

朝掘りの

筍つくと声がする

古堀に桜と椿合わせ咲く

濠覆

花の風道

眠る猫

霧雨に散る花しきり花筏

猫一匹

花道避けて土手を這う

車でて喫茶の窓は花水木

逆光の花びら透ける径ズット

 

客の笠坐して連なる花見船

酒比べ今や飲み時

春の宵

花見客皆それぞれのおちょけ顔

雲流れしぶく瀬音や花開花

花筏

轍重なる水たまり

吸い物は

筍わかめ宵温し

 

八重桜 

仰げば白き天守閣

小雨来て開花の花に光る一滴

木蓮の枝の間の昼の月  







々に



平成29年3月のうた

橋脇の木蓮の先

白鷺城

春雨や濡れて艶めく石畳

キ|叩き終えて窓辺の春瀬音

春風や山上の枝揺れなびく

空川面旋回続く春の鳥

花を避けマスクの寂しピアノ上





に紅





ふらここを押して宙舞う小さき背

春の日の瀬石に留まる菜の葉かな

吊るし雛

円窓照らす備前壺

陽光に浮く虫喰う春の鳥





をつな
ぐ会議や春の午後

おぼろ月

街灯の下の黒猫

春一番 

竹林ぐん




花の道

縦目の猫が塀の上

春の水一手一手

伸び泳ぐ

鵯の飛び交う枝や春の雲

鯉跳ねて輪波消えゆく濠の春

春の路地

飛び出す猫

眠る猫

侘助の咲いて鴨寝る瀬音道


ッチパネルで本購入

春のコンビニ

鷺二羽の浴びて羽ばたく春の川 

川覆

芽生え
し枝に鵯
一つ

春の昼

織部のカ

プに濃いコ

梅盛り

本堂前に並ぶ靴

姫山の城見て梅の男山



読経

紅白の梅庭で揺れ

 

映画会

紙でふさ

も入る春陽







れる



午後

役逃げて旅や海辺の春の雲

湖眺め昼酒覚ます春の風

春濠や亀潜る水音のどか

雛祭

過ぎて丹波路

雪残る

  風光る筵に眠る猫艶毛  

鵜と鴨の中洲に休む濠や春

川中に投げる石音

春の音

春濠や甲羅干


て潜る亀

亡き人の青春の歌

聴こ
ゆ春

塔見上げ通りの小梅

咲いおり

花時の丸窓の中ひかる壺

東風吹かば大蜘蛛雲の足ながれ

猛瀑の闇夜打つよな春の雨

暗渠よりバ
ッタ
飛び出る春の午後

春海や引き潮に貝を踏む音

 

春の森

鷺寝る下に浮寝鳥

平成29年2月のうた

蒼空に掃き雲飛びて春冷気

そよ風や枝抱え寝る猫長 閑

春の濠

首曲げつがい浮寝鴨

口あけてせがむ緋鯉や春の風

春の水
ゆる く
落ち行

堰の音

城囲む芽生えや隠す唐破風

苔に落つ紅肥後椿なほ映える

 

春光に鴨ら泳跡見せる朝

梅の花

丘か
ら望む鷺の城

幕靡く地鎮の祝詞響く春

春の雲

蜘蛛の巣透ける瀬音道

 

春の午後

竹林靡

丘近き


ねる垣

影濃

伸びる春の道

春川辺

葉を背なに歩む鳩居て














椿



稲妻の枝


 

山茶花の垣の下

紅道続

春禽の鋭声時に響く森

軒外れ紅白の梅

ぬれ

春風や空濠に二匹の子猫

春憂や居眠

の間の笑い声

ふと逢える人カメラ音

耳残る春

山裾の瀬音きわだつ春の雨



ラ裏

集ま
る春や色褪せぬ

春燈に我が影濃くて瀬音道

広き海

菜の花
に寄る蜂羽音

 

薄氷の濠面輝き空青き

 

如月の望月高し瀬音道





赤子






春忘や



見つけ出す座席下

薄氷や遠き日の洗顔の水

春めゐて白き飛沫の跳ねる音

 
 

立春や首紫の鳩ひとつ

 

酢の香して

畳の隅に豆一つ

晴れて善し凛

す冷気

追儺の日

麻酔覚め窓の孤独や

ぼたん雪

 

薄氷の濠行く鴨ら光る波

 

春めゐて羽ばたく鷺の枯れ中洲

道晴れて嬰抱

婆の笑み長閑

麻酔覚め春聖堂のマリア像


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