令和6年10月のうた
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金木犀 |
コスモスの広場に風の吹き渡り |
神無月 |
秋 |
私語かわす様な選挙よ神無月 |
アメリカの野球の祭り秋の果て |
秋の夕 |
彼岸花 |
草 |
狭間のある白壁続く秋の川 |
秋風に芙蓉の揺れる瀬音径 |
小春日や石に座りて花を見る |
神無月 |
濠に鴨 |
金木犀 |
電飾の屋台の列の秋の宵 |
秋祭りこのしろ寿司を頬ばれり |
彼岸花 |
法被行く祭り行列秋の空 |
彼岸花 |
神無月 |
空を掃 |
空碧し一気に咲ける曼珠沙華 |
懐かし |
城の秋 |
石庭を猫眺め居り秋の寺 |
川辺秋 大口の鯉見上げお |
碧空に出てきて騒ぐ鰯雲 |
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腰かけの様なキ |
顔映す体温計よマスク下げ |
令和6年9月のうた
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川さらう子等の帽子に赤とんぼ |
夏広場 |
炎天下 |
石垣に茂る夏草 |
群れ小笹 |
橋擬宝珠 |
夏枯れ葉 |
秋風や青空に雲 |
秋祭り |
流れ雲 |
動物園 |
飛行機雲の肋骨雲に秋の空 |
秋雲にまっすぐ伸びる機雲かな |
暑き暮れ観月祭のアナウンス |
せせら |
秋夕べ |
朝顔や蔦伸ばし咲く簾かな |
入道雲 |
炎天下 |
紅白の木槿の径よ瀬音径 |
ランニング |
蝉の穴散らばる森の静けさよ |
残蝉を背に聞 |
口開けて止まる鴉の夏川辺 |
夏川のき |
夏青空 |
へちま下がり黄色い花に囲まれて |
夏枯れ葉 |
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夏嵐去り公園にとんぼ数匹 |
笹揺れて羽根を開閉 |
令和6年8月のうた
炎天下 |
猛 |
酔芙蓉木陰で笑 |
ベンチ去る一陣の風の涼しさ |
犬連れて処暑の夕暮れ染まりおり |
入 |
川辺席 |
公園の藤棚涼し汗を拭く |
夏古濠 |
葉の裏に映えて流れの涼しさよ |
百日紅 |
入道の鰯に変わる日暮れ雲 |
烏鳴 |
池の樹に蜻蛉数匹 |
口開けて迫る緋鯉の夏の池 |
炎天下 |
池水に映る松の樹 |
百日紅 |
夏枯れ葉 |
境内の緑風 |
動物の匂いと声の夏の園 |
ルピナスの駅 |
山裾の木陰の風よ |
橋擬宝珠 |
濠傍の柳たなびき涼松風 |
瀬音聴 |
山裾の笹葉に止まる黒とんぼ |
川へ落つ |
濠辺径 |
カンカン照り涼しき森の石鳥居 |
炎天下 |
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夏の森 |
ただとまり只鳴く蝉よ樹に溶けて |
令和5年10月のうた
罪もなき人らを思う異邦人 |
秋濠や日だまり光る鴨の水脈 |
秋空やでんぐり返りの子のダンス |
秋空や太鼓につられ城広場 |
ハロウィ|ン |
雹の秋 |
迷いおりコスモス畑に蝶休む |
開館を背比べで待つ兄弟よ |
広場秋 |
黄化する銀杏の前の水飲み場 |
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マントラを唱えて休む地蔵堂 |
秋の雹 |
収集箱に古電池 石道標 |
石 |
瀬 |
秋風や濠辺から園抜けて寺 |
段 |
蝉落ちて温き大地よ布団めく |
神無月 |
白壁の濠辺の道や芒道 |
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城透けて見える樹の葉も秋めけり |
天高く城見る車夫の声し |
長櫓 |
秋風や小さき堰の波瀬音 |
秋蝶の小さき黄色そこかしこ |
妹背橋 |
秋蝶や石垣を覆う草増す |
祭り後の川辺の風や金木犀 |
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秋刀魚焼く大空覆う鰯雲 |
日蔭より日向を歩く秋の朝 |
令和5年9月のうた
まつ |
ハッとする金色めいた彼岸花 |
城眺め |
すすき揺れ郊外の空 |
渡し跡 |
秋の旅 |
飲んでいて葡萄みとれるワインかな |
大広場 |
芒出て秋めく瀬音犬と行く |
新涼や古濠の鴉の尻声 |
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芝伸びて小花ら揺らす初秋かな |
城笑う白百日紅の拍手 |
彼岸花 |
大羽根の白鷺めける天守 |
白秋や見上げて光る白鷺城 |
新涼や参道の一陣の風 |
細タ |
炎天下 |
秋雲や晴れ晴れとして只ひろし |
古池や映る水面の百日紅 |
夏瀬川 |
炎天下 |
古池に散る赤き花 |
去る時雨 |
法師蝉 |
森の闇 |
初風や |
芝上に蜻蛉ら数多初秋めく |
蝉瀬音 |
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一陣の風にあおわれ木槿揺れ |
豪雨去り魚鰭見える浅瀬かな |
令和5年8月のうた
夏草や石垣写す長き濠 |
入道に囲まれ凛と姫路城 |
樹の幹にサルノコシカケ地蔵堂 |
シロ |
炎天下 |
夏草や瀬音と濠の千の径 |
城仰ぐ仁王門前
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涼風や日陰の森の黒揚羽 |
汗拭いて |
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猛暑日や羽根広げ立つ鷺の濠 |
葉や光る一枚ごとの光かな |
蝉程の小さき鳥の葉の間飛ぶ |
黒揚羽 |
涼風や巡回バスの停留所 |
夏川へ指先程の蛙飛ぶ |
川並木 |
鶴の瓦載る住宅街 |
猛暑日やペコンと音の鉄板の橋 |
炎天下 |
涼風や瀬にアオサギのひとつ立つ |
黒とんぼ |
水吸える葉に涼風の木影かな |
電信柱の影のオアシス |
炎天下 |
蝉 |
盆過ぎて濠辺の夕べ |
羽音させ蝉鼻先を森の闇 |
大千鳥 |
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下山する裾風涼し森日陰 |
龍の吐 |
令和4年10月のうた
うどん抱く幼女の婆を見て告げる |
虫 |
いわし雲 |
秋の月 |
日 |
電飾の神輿に映える法被かな |
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神無月
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櫓秋 |
盆栽市 |
秋風や広島ド|ムのオカリナ |
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いわし雲 |
秋下山 |
子を送る秋の豪雨や三回忌 |
秋変化 |
銀杏の木 |
楓散る白き天守に白き雲 |
煉瓦塀 |
水槽にメダカの泳ぐ退院日 |
そよ風やコスモスまつり稲美町 |
寒暖差 |
金木犀 |
秋風や墓の下山の青葉路 |
秋晴れて車窓に写る寺の影 |
秋風や葉音騒めく登城路 |
秋風や人無き道を帰りくる |
秋の夜 |
人偲ぶ周りむくげの石達磨 |
図書館を出れば噴水トンボ飛ぶ |
秋の濠 |
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秋空やうつす濠とで城ふたつ |
赤と |
令和4年9月のうた
秋風や天守の窓に揚羽蝶 |
秋の丘 |
百日紅枯れて青空
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図書館を出れば蜻蛉ら広場飛ぶ
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鰯雲飛ぶ姫路城 |
白 |
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子
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濠と川 |
いわし雲 |
美術館のル| |
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公園のぶらんこ静か鰯雲 |
石垣の草の彩り鰯雲 |
台風の去りて川辺に折れる幹 |
秋水や音させず首曲げる鷺 |
黒とんぼススキに別れ告げにけり |
コ |
今 |
涼風や |
城望み百日白笑 |
川床の素麺汁の瀬音かな |
涼風や瀬音響けり山の裾 |
入道雲 |
雲間から渡る名月 |
ヒグラシの鳴く土手径や灯のともる |
名月や |
名月の酒や澄みおり薪能 |
涼風やしぶく山すそ瀬音道 |
酔芙蓉 |
雑踏に見つける友のマスク顔 |
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腰かけめく茸ある大木 |
毬栗の柵を越えけり日陰径 |
令和4年8月のうた
西瓜ふたつ梅花藻川の網の中 |
残 |
緑蔭の並木道なり炎天下
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夏の夜の稲妻ピカリ音凄し
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芝生ねる母の腹這う子の笑顔 |
ふと影をしのぶ音なり和風鈴 |
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下城道 |
夏川の合流しぶき鷺ひとつ
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暑き夏 |
並木路 |
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百日紅 |
鳩群れて酔芙蓉らの船場川 |
がやんまの腹見せ落ちて川辺道 |
コロナ禍や瀬音寂しき黒とんぼ |
百日紅 |
夏旅や異邦人の子 |
腹ばいの犬不動 |
ジジジ |
向日葵によ |
炎帝の睨む四阿の涼風 |
さらさらと夏川流れ光る波
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蝉落ちて人無き道の瀬音かな |
貯水池 |
青空に城と夏雲白く映え |
風鈴に話やさしく涼みけり |
緑蔭やベンチの前の池の亀 |
ゆ |
和団扇に鮎の絵の皿 |
炎天下 |
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熊ん蜂 |
森日陰 |
令和3年10月のうた
路地多き住宅街よ金木犀 |
青空に鳥数多な |
千の径 |
虫小窓続 |
城を背に宙に住む蜘蛛 |
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月光の石垣の壁 |
広
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名月や少しの欠けよ広き空 |
抜け道を出れば数多の赤とんぼ |
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空広き瘤ある並木 |
扇観亭のメ |
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濠向こ |
城を背に巣に遊ぶ蜘蛛 |
葉の色の変化を眼下 |
田の跡に秋桜揺れる夕べかな |
濠と川 |
川瀬音 |
屋台蔵しまう幟の茶箱かな |
真 |
電飾の屋台が巡る宵の秋
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秋祭り街ごと違う幟紙垂 |
白亜なる天守小天守 |
宮囲む色発つ紙垂や秋祭 |
一幅の屏風 |
形卍門入れば枡 |
緋鯉来る古濠の岸に茶枯れ葉 |
樹の影の尊徳に降る濠辺秋 |
つかめたよ蟷螂見せる子等の秋 |
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鷺去りて濠に塩辛とんぼ群れ |
どこからか路地足元の酔芙蓉 |
令和3年9月のうた
夏日暮れ山に彩雲たなびけり |
菌恐しマスクの頬を抑えたり |
鰯雲 |
起きてすぐ布団の縁で座る秋 |
翡翠の城の森影 |
ゆで栗を割りて猪の如 |
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曼珠沙華 |
大青空 |
空を背に酔芙蓉らの寂静 |
大青空 |
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無人道 |
川堰の飛沫背にする彼岸花 |
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上弦の昼月 |
訃報お |
伸ばす腰 |
蝶ふたつ戯れ飛べる挽夏かな |
つくつくと声の途切れて瀬音闇 |
秋の濠 |
ひらひら |
コロナ禍や観衆に似る椅子群れて |
ちまちまと葉がたを透かす青もみじ |
秋空に変わる夕べの鰯雲 |
木下闇 |
一本道さきからずう |
柘榴割れ揺れる稲穂に群れ蜻蛉 |
重陽の朝日を浴びて深呼吸 |
婆翁敬う菓子の届きけり |
手育ての無花果くれし祖母しのぶ |
下校時の手を振り返す夏の子ら |
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コロナ禍の猛暑日に笑む向日葵ら |
猛暑日や老婆きけど |
令和3年8月のうた
涼風や濠森選び漕ぐ木陰道 |
夏枯れ葉とま |
ようけ居る蝉らに慌て父子さわぐ |
夏夕焼け小ボ|ル投げて犬連れて |
残蝉や濠の柳に響きけり |
向日葵やスリ|マギトス描く空 |
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魚ら寄り誰も居ぬ園の緑蔭 |
まだ青い銀杏の実らの枝に垂れ |
百日紅 |
川涼風マスクの老いの椅子たたむ |
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似る六羽 |
大青空 |
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マスクせず夏川辺行く一万歩 |
ビル入れば柱四隅の飛沫水音 |
寺の裏トタンの壁に大西日 |
猛暑日や冷余風の道と軒影 |
夕立や地蔵のひまわり涼しげに |
田の畔の草に優しくKとんぼ |
野分去り |
猛暑日やポトンと落ちる蝉ひとつ |
唐千鳥 |
猛暑日や光りて飛べる黄金虫 |
列車旅 |
あぜ道よ先は宅地に青田風 |
蝉トンボ蝶や鳥くる夏の森 |
田水溝 |
蝉わめく森にたおやか蝶上下 |
小石ける飛沫の光 |
コロナ禍や子等来ぬ幹に蝉群れて |
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木下闇 |
毬栗の群れて蝉の音とげとげし |
令和2年10月のうた
秋水や波の底岩 |
雲一つなき秋空に水あがる |
蒼穹に三日月澄める白鷺城 |
夕茜 |
秋空や煉瓦塀のぞく白薔薇 |
野良猫の餌を狙い来る寒鴉 |
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秋光や格子襞影 |
鵜の去りて白鷺戻る秋の堰 |
う |
間道の杭影曲がる秋の路 |
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屋台蔵 |
秋社 |
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紅き櫨 |
黒猫の石垣の上 |
苔の秋 |
望月や光と影と群れる星 |
三日月の冴えて澄みきる夜寒かな |
鷺の角なびく尾花の瀬音道 |
尾花揺れ無花果の香の瀬音道 |
酔芙蓉 |
毬栗や夕暮れ路地に割れ落ちる |
秋の園じ |
匂い来る焦げた秋刀魚の路地に入る |
秋 波 |
彼岸花 |
塀に飛ぶ猫眺めおり鰯雲 |
紅増えし枝に小雀みえ隠れ |
彼岸花 甲羅五つの草岸辺 |
空濠の草にちらほら彼岸花 |
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秋川辺 |
静か立つ鷺に二本の彼岸花 |
令和2年9月のうた
通り雨 |
上弦の秋の昼月 |
搦手の太鼓櫓の音をしのぶ |
野良小屋のトタンの錆に飛ぶとんぼ |
犬も見る川辺の芙蓉 |
青空にセ |
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秋の蝶 |
石庭の小さき岩に猫隠れ |
Kと |
コロナ禍の路地に迷えり秋の蝉 |
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金仏の螺髪の見える寺の秋 |
秋空を指さす子乗せ母の押す
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巣樹切られ秋空迷う鵜らあわれ |
西日秋 |
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夕陽受け仏舎利塔の影冴えて |
祖母しのぶ無花果香る路地の秋 |
街灯の茜に溶ける秋の宵 |
燈籠と巨石の庭や秋の雨 |
秋空のクルス山間の教会
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秋空にトンボの二つ寺の屋根 |
雲飛びて秋山寺に鳩ひとつ |
スケ| |
野分去り野花も空も陽射し受け |
秋 |
秋夕べ寺町筋の凪の濠 |
秋の土手 |
白鷺の白鷺城へ秋の空
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向日葵や空へはじけて花火めく |
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秋茜 |
川堰の白い飛沫の瀬音秋 |
令和2年8月のうた
蝉網の影長くなる夕陽時 |
地蔵堂 |
古すだれ打ち水影道ただ歩く |
口と顔透けるマス |
瘤の樹に青葉茂りて若木然 |
ふと虫の来て庭にさわぐ風鈴 |
夏濠辺 |
渓流や夏の上弦の昼月 |
涼風や犬に夕焼け濠辺路 |
夏枯葉 |
猛暑日や腹地につけて寝る猫ら |
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炎天下 |
伸びあがる虹から天守へ飛ぶ鳥ら
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夏日浴び屋根に鳳凰 |
夏の寺 |
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長袖に鋏音 |
黒揚羽止まると飛ぶのふたつ来て |
土 |
蜻蛉のとまる濠辺の夏日かな |
涼風や柳の隙間指す夕陽
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緑濃し森を映して川瀬音 |
うちわ風 |
夏落ち葉 |
風一片 |
入道と鰯雲との夕べかな |
黄のシ |
猛暑日や城森の鵜ら口開けて |
山裾の森影二つ黒揚羽
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夕涼み橋の真ん中ひとりぼち |
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新コ |
夏自粛 |
令和元年(平成31 年)10月のうた
蜘蛛の巣に枯れ葉の絡む濠辺路 |
秋草も花も萎れり弔いの朝 |
谷根千や秋の境内煙る霧雨 |
列車バス徒歩は小雨の秋の旅 |
秋しずかバス停に立つ老夫婦 |
ガニマ |
走り去る景色寂しき秋の旅 |
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野分過ぎ竹林倒れ池にごる |
秋の濠 |
掃 |
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凪ぐ濠に映る石垣 |
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秋空に響く屋台の街を行く |
陶器市 |
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冬眠へ枯葉分け去る細き蛇 |
枝枯 |
一斉に枝に飛ぶ鳩 |
餌求め鯉口の多し秋川辺 |
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千木並ぶかやぶき屋根の里の秋 |
秋の園 |
秋の朝 |
秋の午後 |
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秋大河ピポラポ |
秋豪雨去り花に来る熊ん蜂 |
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列車過ぎ |
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線路わき群れて咲 |
草刈れば秋蝶ひとつひらときて |
令和元年(平成31 年)9月のうた
秋の雲消える瞬間 |
鴉鳴 |
瀬音道 |
紅葉の忍び寄る森 |
学舎秋 |
頬に風 |
船場川 |
濠風や石垣の夏草の屏風 |
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日影濃いク|ラ|もれるビルの午後 |
不動堂 |
城見ロビ|石垣カ|ブの支柱 |
瀬音する並木川辺に夏枯れ葉 |
濠出島 |
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濠の面に羽跡残して鵜の去りぬ |
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残暑厳 |
ひでり道タオルの首に冷えてよし |
猛暑日や人力車夫の脚と顔 |
入道雲 |
猛暑日や豹柄日影楽しけり |
櫓背に葉を紅にする初秋かな |
濠沿いの石垣覆う夏草の道 |
ひらひらと川へ平らに蜆蝶 |
青紅葉 |
まん丸でど |
猛暑日や川幅すべて小波の光 |
百日紅らの並木のグラデュエィション |
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カ |
涼風や自転車前後の乗る子らに |
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雨やみて塩辛トンボら芝の上 |
炎天下 |
令和元年(平成31 年)8月のうた
雨去りて蜻蛉の群れて芝の上 |
夏枯れ葉 |
夕立のあとの土手径濃い緑 |
蜩の声 |
夏枯れ葉 |
夕立や雨跡激し川と濠 |
炎天下 |
声かわる残蝉の譜の短かさよ |
ゆ |
石垣の草屏風なり夏の草 |
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地蔵盆 |
青紅葉 |
滝の猿 |
炎天下 |
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空晴れて早朝日影の百日紅 | ミ|ンミンミンみ|日向と影の濃き社 |
大賀蓮 |
猛暑日や飛ばすし |
むくげ咲く公園口の蝉の声 |
夏の蝶 |
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旅車窓 |
モ |
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涼風やゴウヤの網の揺れる朝 |
夏の朝 |
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猛暑日の車窓の青田なびきおり |
夏旅やクレ|ンの目立つ港町 |
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猛暑日や旅立つ朝の玉砂利の音 |
炎天下 |
地蔵堂 |
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夏枯れ葉 |
平成30年10月のうた
温め酒 |
枯葉らの茜の別れ触れて落つ |
豚触る幼児うしろ手 |
秋静か鴨の波打つ羽音かな |
糸に風 |
色変えて横に斜めに降る枯れ葉 |
蜘蛛二つどれも母娘の巣も二つ |
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遠くへの煉瓦館描く過去を秋 |
秋祭り終わりて神社の名残旗 |
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天高く鬼瓦置く千鳥破風 |
枯れ葉道 |
岸馬場の水門に揺れる秋桜 |
赤とんぼ芝生広場をつなぎ飛ぶ |
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かぼち |
烏鳴く森の柿ら |
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和船行く秋の櫓に茜空 |
なんか居る波紋の足元 |
田を眺め三羽のからす柿の枝 |
雲の中浮いてたなびく蜘蛛ふたつ |
蔦 |
秋時雨 |
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流離いて彷徨う路地の京の秋 |
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布絞る姿にしぼむ木槿かな |
鉢植えに蜂羽音 |
野分前 |
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金木犀 |
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秋祭り日本画舞踊練る神輿 |
彼岸花 |
すすき吹く濠辺並びに川瀬音 |
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秋瀬音 |
平成30年9月のうた
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蝉終えて瀬音飛沫のひとり道 |
彼岸花 |
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紅続く小さな雲の彼岸花 |
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秋刀魚焼く食器洗いも留守の味 |
如来らの白雲の如 |
先に蝶 |
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よしず背に濃淡茶色ぐみ実る |
道ふさぐ青柿垂れる川辺道 |
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秋の濠 |
蝶来り瀬音色香の彼岸花 |
ゆ |
碧空の白雲に入る飛行雲 |
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彼岸花 飛蝶ふたつの瀬音道 |
かたつむり角出し幹の苔を這う |
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角を張りゆるりと這うや蝸牛 |
川 |
秋晴れの朝の電話や旧き友 |
蔦やしき音流れ来る秋夕べ |
蝶三つ葉にまといつく秋川辺 |
読経聴く線香の灯に戦ぐ風 |
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ジム通い傘叩 |
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夜神楽や足踏む音と灯と闇と |
鳴 |
足元に転ぶ空蝉 |
ひと休み運ぶ草の香 |
枯れ四葩まだ立ち無風 |
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あら |
夏雲に入る飛行機の紙の様 |
蜆蝶 |
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夏の丘どの葉もすべて輝けり |
平成30年8月のうた
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涼風の舟入川に蜻蛉跳び |
川浪の飛沫光らせうねり行く |
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石垣を冷まして涼し夏の草 |
川風や花弁の中の蟻涼し |
戦ぐ風川辺の木槿白く揺れ |
炎天下 |
道にでて百日紅笑む狭き路地 |
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大空に機の音包む積乱雲 |
青柿が下がれる木陰 |
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西日射す自転車こいで炎天下 |
青い羽根 |
湖を囲む風車ら夏の丘 |
風通る青柿の下
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老津なる駅名ありし老いの夏 |
車窓の浮雲ぽんぽんと真夏旅 |
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炎天下 |
青空へ紅散らすよな百日紅 |
白木槿 |
炎天下 |
通り雨 |
空蝉のそばを森へと黒揚羽 |
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炎天下手足ヒラヒラ濠の亀 |
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跳ねる魚 |
羽広げ地に寝る鳩の炎天下 |
真夏日や水浴び鴉 |
枯れ四葩下に木槿ら白く群れ |
木槿さく枯れし四葩のその下に |
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樹の幹に豹柄の影 |
獅子吼えの入道雲や背押す風 |
白壁の日陰をうねり飛ぶ蜻蛉 |
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森日陰 |
平成29年10月のうた
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嵐来て落ちし枝踏む音数多 |
雨見えず濠に水紋みえる秋 |
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金木犀 |
不動尊 |
古き友ら背を流しあう秋の宿 |
秋の寺 老樹大木偲ぶ春 |
金木犀 野球少年球拾い |
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藤袴 |
川浚い砂利音澄みて神無月 |
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雨上がり木槿に露の五滴あり |
秋の川 |
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屋根伝い祭りの旗をくぐる猫 |
秋の暮れ子ら |
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虫籠窓 続 |
橋上の月はまだらな雲を分け |
深更の月は鱗の雲を分け |
柿の実や風が秤の枝の揺れ |
酔芙蓉 |
う |
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濠挟む森の風 |
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秋空を掃きゆく白き雲の風 |
ハタハタ |
抱きし子の猫撫でる手や冬隣 |
寺の園 |
逝去した月だけ知れて神無月 |
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秋祭り花を除きて屋台道 |
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鱗雲 |
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黒揚羽ひらりと来たり彼岸花 |
平成29年9月のうた
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天高 |
緩やかに飛ぶ蝶ひとつ祭り前 |
シデ並ぶ様に群がる彼岸花 |
前に黄の足元赤の彼岸花 |
憂き我をふるい飛ばせよ秋の雲 |
下校時の見回りの傍 |
安全帽揺れる子が見る秋の空 |
羽根透けて葉からはみ出る残り蝉 |
枇杷の木とまどろみ居りぬ酔芙蓉 |
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ク | ラにさらされ路面 城マ | ク |
樹の影の濃く川風の秋の影 |
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彼 |
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子等連れて川辺の列の秋うらら |
雲消える瞬間を見る秋の空 |
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秋空に揺れて閉じ行く酔芙蓉 |
紅白を揺らしてムクゲ咲う路 |
ヒグラシや白い飛沫の小川路 |
雲飛びて森のざわめき残り蝉 |
落ち葉吹くブロア掃除や秋来る |
雲流れ入道混じる初秋かな |
石垣の斧の印に秋日射す |
濠干され見える巌場に秋日射す |
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ヒグラシの響く森なり枯葉吹く |
芝原に数多飛びおり赤とんぼ |
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樹 |
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空地出来 |
中堀の夏の暗がり烏飛ぶ |
夏枯れ葉 |
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名を呼びて無花果 |
飛行機雲の消えゆく跡や時と行く先 |
夏の雨 |
平成29年8月のうた
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鰯雲 |
雲消える瞬間を見る空晩夏 |
橋涼し小川の浅瀬 |
眼の高さ川辺に涼しむくげかな |
背から落ちあがく蝉起き動かざる |
蜥蜴這う倉庫の下へ隠れけり |
夏枯れ葉 |
夏草の石垣覆う炎天下 |
濃い色に聴けば青空 |
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送り火や戦後を映す走馬灯 | 蛇居た |
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雲峰に届けと紅き百日紅 |
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フ |
夏枯れ葉 |
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一羽だけ森烏鳴く炎天下 |
青苔の石垣涼し川辺道 |
墓の昼 |
蝉といえよき声もあり川辺道 |
夏の朝 |
救急車よく聞く夏や夜更け時 |
川と濠 |
台風の去りて気付くや喪の知らせ |
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蝉の朝一つ彷徨うトンボかな |
立ち話 |
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青鷺の懐開く炎天下 |
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老木に茂れる葉風 |
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日照り道 |
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蝉しぐれ青柿実る瀬音道 |
夜 |
車の灯 |
平成28年10月のうた
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堰の主 |
秋の空 |
石垣に似て乱れ飛ぶ鰯雲 |
秋の城 |
高き空 |
秋水や 鷺が魚取る堰飛沫 |
秋の旅 |
豊作の柿や小路をとうせんぼ | 鷺の声 |
秋 |
長局 先に天守と鰯雲 |
ラ |
祖母と園 大石蛙 撫でた秋 |
月雲間 |
旅の |
秋日暮れ月や高雄の犬照らす |
峠道 |
神無月 |
見上げれば島の形の秋の空 | 肥えた鴨ひとつ游ぐや秋の川 |
月の海 |
鰯雲 |
鰯雲 |
鰯雲 |
公園に鳩呼びかける子のお辞儀 |
天高く機影の早き飛行雲 |
秋水に |
電飾の神輿の列や秋祭り |
魚を追う鷺の羽ばたき秋の堰 |
無花果や声と微笑む祖母の顔 | 野分前 |
野分前 |
電飾の屋台練りゆく秋の暮 |
鰯雲 |
ススキの穂 |
秋の濠 |
蔵の屋根草生え招 |
木犀の香りや揺らす御神燈 |
秋の宵 |
おにぎりを順番通りほどく秋 |
鍋の湯気 店 |
曼珠沙華 |
春に見た機の舞う空は今の秋 |
平成28年9月のうた
彼岸花 |
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夕 |
土壁に濃 |
秋風や濠面の緑見入る鷺 |
鬼やんま腹に静かな虎模様 |
かき分けて柿落ちる音細き道 |
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野分去りうねりに立てる白き鷺 |
車待つ空飛ぶ雲と彼岸花 | 夜更けて風呂に聞こえる虫の声 |
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秋月や白き天守の鯱の影 | 秋寒し |
秋風や濠面の景色見入る鷺 |
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鷺ひとつ濠の出島の草陰に |
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油蝉 |
涼風や葉を踏む音の続く道 |
金木犀 去る足音で季を知る |
色ずける葉陰に休む鳩ひとつ |
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色ずける葉影に小粒 |
残蝉の |
葉に飛沫 |
ラ |
先に飛ぶ |
神輿行く広場斜めに鰯雲 |
青空に紅ほろほろと百日紅 |
野 |
秋の風ふらここひとつ揺れてる |
鰯雲 |
鰯雲 |
柿のへた有田の皿に三つ残る |
一輪の木槿の川辺 |
濠の鯉 |
空 |
田一枚ひらと去来す秋の蝶
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新涼の千姫小路 |
イ |
日陰から川面に群れて出るトンボ |
長局 |
雲を背に芙蓉の揺れる道涼し |
平成28年8月のうた
ひ |
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残 |
種 |
ヒグラシの啼く白壁の長き道
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旅人の吾取り戻す夏の雲 |
夕 立 さ り 日 差 し に 光 る 根 っ こ 道 |
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川 |
し っ か り と芯を突き出す木槿かな |
真夜中の五輪ライブを籐椅子で |
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坂 の 木 の 切 ら れ 広 々 秋 の 空 |
水浴び後よしずの日陰かき氷 |
下平ら上こんもりと夏の雲 |
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地水火の遠き送り火 |
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夏並木 雀の砂風呂三つ四つ
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百日紅 |
土の香にむせて草取る炎天下 |
朱鷺色の日暮れ風なく柿熟す |
山 |
にぎわいの遠
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猛 暑 日 や エ ア コ ン 売 り 場 広 々 と |
籠を持つ麦わら帽子に蝶ひとつ |
水に落つ蝉 |
炎天下石垣の蔦焼けて枯れ |
緑濃き見えなき蝉の瀬音道 |
木陰道 |
老いの酒 日影一人の夏まつ り |
滝道や長白壁に水の影 |
盆休み戦時映画の沼地獄 |
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夏の通夜 |
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水光るプ|ルの底は万華鏡 |
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棟がわら入道雲と問答す |
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黒トンボ葉陰に二つ瀬音道 |
夕立去り箒が残る壁際に |
泳ぎ終えうたたね涼し苫屋かな |