令和5年 7月のうた

hotaru1
hotaru2

暑き日やケンケンパ
ァで木陰

並木道

遠近法の蝉し
ぐれ

汗だくの頬に涼風

川瀬道















懐かしき城の小滝と蝉の声

 

夏の月



る先に樹枝の巣

 

青空に紅百日紅

初見参

石垣の間を渡たる風涼し

蝶の影

見上げて早し川へ去る

猛暑日や首巻冷やし乞う木影

 

白雲を背に向日葵の背比べ

大青空

向日葵そよぎ布団干す

 

 

森の闇

涼来て休む黒と
んぼ

 

涼風や蝉穴多し城の園

雲の峰

山裾苔と森の闇

蝉なくて瀬音際立つ木陰径

川飛沫

冷えた西瓜をガブ
リ食

蝉の穴

声降り来たる城の園

ビル街のフト涼風よ通る喉

蝉の道

塩辛

ンボ川辺飛ぶ

夏川辺

青苔に飛ぶKと
んぼ

猛暑日や山裾の木影の涼瀬音

涼風や小雀一つ吾回る

 

木陰ゆ

汗に涼風

瀬音道

 

炎天下

影濃き道に黒揚羽

石垣や濠に映して緑濃き

 

涼風や濠と川との間道

 

黒とんぼ棲みか見せよか瀬音道

地蔵堂さるの腰掛みて涼む

青芝に濡れる雪駄や戻り梅雨

夏枯れ葉めく蝶ひとつ降り来る

夏青葉

神垣の丘の空澄みて

令和5年 6月のうた

炎天下

犬も尻込みひかれ行

入道雲

汗も湧き出る丘の径

石垣に夏草さかん魚の音

人力車

城仰ぎ説

夏濠辺

炎天下

木陰の石に寝るひ

     



ツに蝶止ま
り歩

や濠辺径

こぶし

り小さ
き雀

茅花流し

黒とんぼ

また出でにけり地蔵堂

夏至濠辺

石垣裏の土手小径

 

望城の庭の四阿

涼し

石垣を木の根足場に登る夏

 

 

 

石垣に夏草茂り凪の濠

 

濠凪て石垣に苔と夏草

木陰径

頬に涼風撫でて過ぎ

葉脈の光る紫陽花群れる園

涼風や人居ぬ園の木陰径

 

木陰路の
小さ
き蛇や炎天下






鷺居ぬ堰の紫陽花路

 

スミレらよ道の花壇に青く揺れ

 

道端の咲う花壇のスミレらよ

石樋の堀割落ちる小滝夏

 

北国の瀬音をしのぶ



らんぼ

 

望城の丘を巡れば遠

 

無尽蔵

水澄む瀬音響きお

叱り抱く尾振る子犬よ虎が雨

 

紫陽花に熊ん蜂来る瀬音径

梅雨の入り



と線状降水雨

扇風機

蒲団蹴とばす子へ回る

万緑や古濠杭に

あめんぼう

人影の長

芝生に初夏の城

令和5年 5月のうた

青もみじ橋の瀬音の好古園

苔の色

緑生き生き八幡宮

梅雨入りや苔むす道よ瀬音道

薫風や



石垣と濠の街

万緑や白鷺城の裾の森

     

紋白蝶ひらひら健気タンポポに

濠凪ぎて並木も緑

石垣も

小糠雨あやめ花弁に光る露

 

寺の軒

雨の紫陽花のぞ

栗鼠

緑風や赤い煉瓦の濠小路


ャボン玉



子追

母カ

ラ手に

 

 

 

薫風や瀬音の傍の地蔵堂

 

鈴の音を聴くよな夏の底小石

揚羽蝶さむらい屋敷をふらりかな

犬の尻拭う老婆の夏日暮

千の径みど
り涼し
き並木路

濠凪ぎて湧き水の輪に夏の亀




 

陰に
笑う
花水

蒼穹に浮いて立つよな天守かな

 

蜻蛉らよつるんで飛べる初夏の池

 

花園の城見の丘や蜂羽音

薫風や砂場で孫と遊ぶ祖母

 

薫風や木陰でスマホ打つ子等よ

 

夏城下

異人の連れる大型犬

 

石垣を抜ける薫風

鴨の水脈

 

五月晴れ野良を


ラに旅の人

 

薫風やあれやこれやを吹き抜ける

薫風や空に二本の飛行線

五月晴れ濠と瀬音の河間路

龍吐水

手水の下に苔の夏

鴨の水脈

夏石垣に野良ひ


令和4年 
7月のうた

蓮花見

葉に大粒の景色玉

夏祭り

どこ吹

風の人出かな

土用餅あんこの味に風涼し

夏小川

河童の如

子等さわぐ

下山道

朝露草に黒とんぼ

     

ぼこ
ぼこサワサワザ|
ザ| と夏瀬音

涼風やお堂のベンチの雨宿り

脚下や首に我が影と熱の共演

 

炎天下

濃き影渡る青芝生

 

傘持たず出れぬお堂の戻り梅雨

 

向日葵や登る蟻らのせからしく

 

 

 

青空を背に紅白の百日紅

 

鵜と鷺の風入れる胸

巣に立ちて


青空











夕立や飛び込む森に黒揚羽

炎天下

座る裸足に上る蟻

散る光

音響かせて大花火

汗渇きまた出る坂や油蝉

夏雲に変わる緑の白鷺城

万緑や噴く汗よしと急石段

館出れば赤煉瓦さす夏日かな

戻り梅雨

緑の森の静け

 

雨宿り宮から望む白き城

 

黒と
んぼ岸辺の草に見え隠れ

夏木陰

背にクルスある地蔵かな

葛餅の涼しき事よ

きなこの黄

夏風や祠の傍の磨崖仏

瀬音闇

息する羽根の黒と
んぼ

森並木

風と瀬音と蝉し
ぐれ

蝶遊ぶ川辺の百合も涼しけり



る羽根

葉先を揺

すK

んぼ

令和4年 6月のうた

猛暑日や濠杭先に不動の鵜

羽根に風とうす鵜のいる夏の濠

魚のひれ
S
字に

ねり青楓

積乱雲湧きて大空

鷺一羽

風過ぎる大噴水の落ちる音

     

梅雨空や三滴の水のメ
ロデ

風とおる入道雲の日蔭かな

胃の凭れ治す夕風

冷奴

 

万緑や過去の足音

通学路

 

蛍火や線画の濃淡墨絵めく

 

濠と川

日陰に風の千の径

 

 

 

川辺闇

浮かぶ蛍の上下し

 

匂い発つ市松模様

畳替え

水玉の睡蓮涼し黄やピンク

風涼し金箔窓の菱の門

グラ
ジオラ


建屋日蔭の室外機

梅雨晴れ


|


ぎの飛ぶしぶき

鬼やんまの草先めぐ
り夏瀬音

四葩避け犬連れ花の千の径

五月晴れ子犬追う子の機敏なる

北濠の昼の闇土手あめんぼう

庭師らの小花ら植える小山路

 













 

望城や時空を超えて昼の月

周りみな万緑なりし昼の月

万緑や汗を鎮める葉脈美

闇深き上下濃淡

蛍の灯

男山

裾の瀬闇に蛍の灯

新緑の小雨の傘や草かおる

万緑や石垣濠も寺森も

煉瓦館出れば緑の並木路

令和4年 5月のうた

大青空

しぶく風呼ぶ大噴水

燈明を寝てみて御座る菩薩様

新緑や濠辺を巡る和船かな

水鉄砲のバズ| カ| 勝つ夏日

夏の闇

位置探す弾丸の追憶

     

昼寝後の終わり筍

お吸い物

濠の森

みど
りの雫降る和船

大野川






宿


新緑の日蔭を出れば

白き城

花畑

万朶の桜に友笑

緑風を頬に感じ





 

 

鷺や飛ぶ

万朶の桜の天守閣

 

よさこいの旗はためいて五月晴れ

老いて善し登る参道の新緑

新緑や拝む朝日の丘の上

望城の新緑の森

野の花ら

うぐいすや石垣濠辺の浮き寝鴨

みどりなる濠に黄色の菖蒲園

甘茶かけ感謝の日なる報恩講

新緑や大型店に鍋探す

打ち踊るステ
|
ジ太鼓

夏日来る







と小鴨の数多

岸瀬音

 

夏空に機

園にひとりの生演奏

 

新緑やキラキラ光る群れる葉ら

大空青に三色の鯉

泳ぎおり

覆い出す乾

石垣

夏の草

サキソホン生音を聴く五月晴れ

春の子らし

ぼん玉らの中走る

大自然

子燕に餌を運ぶ親

紫陽花や雫も緑の通り雨

あじさいや今年も色の見せ始め

令和3年 7月のうた

大熱戦

窓みな開けて大画面

応援五輪

画面と汗を比べけ

揚羽蝶

木陰で羽根を開閉す

犬の来て我が指舐める猛暑かな

夏濠の澄て水面に群れ蜻蛉

     

猛暑日や喉を震わす森の鵜ら

青もみじ白き櫓に抜ける風

田の隅に向日葵ら揺れて談笑す

川波に似たる葉脈

四葩かな

濠凪ぎて菖蒲出島に蜂羽音

Kとんぼ葦さきゆらす緋鯉かな

 

 

緑蔭や羽根開閉の蝶無傷

 

玄関の庇の裏の燕の巣

濠出水



魚に蝶の去る

鳩と
まる石垣の先

夏の空

夏蝶の疲れ降りくる細き溝

数まして川の上飛ぶKとんぼ

車去る緑蔭の闇に遠雷

底石の奏で瀬音と飛沫

日本晴れ赤きカンナの風に揺れ

梅雨の軒

手出し家入る老いひ

ミニトマト姫向日葵の庭の風

 

植田路

塩辛

ンボ三つ飛ぶ

 

葉に生まれアサギマダラの丘の空

入道雲

庭は伊吹の緑の小雲

石垣に繁る夏草映す濠

夏日閑

雨戸閉め門燈の家

門ご
とのマス

ら師弟

夏下校

涼風や丘の教会ピアノの音

石仏

猫の迎え
る夏の堂

向日葵の原

葉そ


植田

令和3年 6月のうた



|














土の巣や

つばめ出入りの門の上

 

暑き夏よたよたと老いの来る

夏草や年輪に偲ぶ骸木





雲遊





     













寿




仕上がる






傘に顎置き聴

瀬音







|






碧空や群れてカンナの風黄色

 

夏落ち葉

焼ける砂利這

蟻ひ

夏風や石垣上の松の空

夏風や光る瀬波に紅む

 

夏午睡

田の畔に似る畳の目

波を背に紫陽花揺れて荒瀬音

昼月と飛行機雲や夏の城

今ここに風の吹きいる夏座敷

コロナ禍や能面と版画の個展

 

今しばし犬の目が乞う夏暑き

 

雨やんで森へ入れば滴り多し

万緑や苔と瀬音と鳥の声

森の闇

石段上の白い空

背に柳

小蝶らの

る濠辺路

 

濠の凪カマキリの這う夏枯葉

 

声さわぐ子供の手形壁にあり

万緑や瀬音やさしく射す日陰

骸木の根の姿みる夏の土手

夏草や切られ古木の株隠す

コロナ避け菖蒲出島と紫陽花川辺

瀬音連れ 小鴨八匹列ふたつ

枇杷の実の黄色になれる早き梅雨

緑蔭の瀬音聴こえる風の径

令和3年 5月のうた

石垣を這

蔦模様

夏屏風

枇杷の実の黄に色づきて風光る

石垣の蔦模様背に青もみじ

川瀬音

濠の緑の千の径

爽やかな風つまみ食う柏餅

     

薫風や青き田にねる猫ひとつ

熊ん蜂

豪華な薔薇に突入す

鯉幟

大屋根波の風を吸

小雨中ステンドグラス背に黄薔薇

雨の田の葉影に無花果香る青

 

石垣に小滝の庭よ皐月風

早梅雨や鵜の羽根の鱗めく光

早梅雨やブロ



|
めく紫陽花ら

 

万緑や白鷺ひとつ映す濠







W
I
F
I






熱き珈琲

水まん



の夏日

紋白蝶三つ

住宅街の菜園


ロナ禍や行列の鳩

屋根にな

 

緑陰に黒揚羽飛ぶ瀬音道

薫風や白鷺とまる櫓破風

夏日濠

森の高き巣三羽立つ

黄菖蒲に

まる白蝶

瀬音道

無症状感染者

飛行機雲の後ろ

 

桃型の橋の灯長閑

夏の川

 

おんびきの鳴き声響く夏濠辺

自粛下戸避ける蚊襖

夏濠辺

薫風や母に手を振る子の笑顔

 

石庭の隠れ茂みに眠る野良

春の鵜や枝くわえ飛ぶ城の濠

薫風や胸い

ぱい
の五間鯉

ステ
イホ
|


滑らす指の新スマホ

令和2年 7月のうた

涼風や無花果の香に偲ぶ祖母

遠雷に蝶の動きの修羅の如

 

地蔵堂

濠から川へ荒瀬音

 

雷鳴と豪雨に揺れる夏大河

炎天下

湿りへ蝶の羽根激し

     

梅雨開けずチチ鳴く蝉の小声かな

涼風や

教会前の紅き薔薇

炎天下

寄棟瓦に恵比須様

棟瓦

座仏に見える土手の上

蝉の声
そよぐ野菊に蟻ひとつ

 

橋の下

瀬音激し

鷺の立つ

石垣の続く濠沿い青もみじ

公園の芝に遊ぶや鳩と蝉

 

空蝉や梅雨も明けずに川津波

スプ



ラ蒸せる青芝

炎天下

小雀の路の子穴を飛び立てり

a

夏草の覆う石垣続く濠

黒揚羽


れて嵐

荒瀬音

堀割の湿り
に上下

黒揚羽

かたつむり五つ日陰の塀登る

増水に低空飛行の川つばめ

鳥鳴いて濠風涼し木槿かな

万緑や土手のもみじも城森も

 

嵐去りすばしこく飛ぶ川つばめ

 

梅雨の川

機関銃弾の雨音

足早に鳩追

幼児

夕陽夏

亀を指す幼児の帽子に蝶とまる

マスクして席もまばらの夏の旅

 

精一杯倒せる椅子の夏列車

夏旅やマスクを耳に見る車窓

炎天下

並木の日陰数え行

令和2年 6月のうた

梅雨の屋根

相輪を背に光る鳳凰

梅雨空に霞む水煙

五重塔

夏海辺

団欒小屋の漁師鍋

 



スアゲハ

住宅街にひらひら

     

菱窓にマ








日曜日

きビル連れて飛び去る黒揚羽

群れ紫陽花ステンドグラスのキリスト

群れ垂れる

ウゼン
カズラ

脚長き蜂

梅雨の雨

瓦の
鯉の波を打つ

 

雨しとど鵜の巣を抜ける梅雨の森

青紅葉

雨に芝生




日食を見れば朧の雲の中

 

梅雨晴間

橋欄干に
並ぶ

水煙を背に鳳凰の炎天下

梅雨晴間

あやめの傍に鷺一羽

万緑や


じみ蝶らの瀬音道

梅雨入りや菖蒲や鴨も小雨中

虹に似て庭毎の色

紫陽花ら

親子鴨

四匹連れて川下る

枇杷

わえ飛び去る鴉

空碧き

碧空に飛行機の雲

蝶ふたつ

小雀や鳴いて住家の青紅葉

 










|
 


 

口広げ空仰ぐ鵜等

夏の森

十字架と煉瓦煙突

夏の空

軒つばめ出入り
する空

雨模様

止め石に戻ればつばめ旋回す

枇杷伸びる飛行機残す薄き雲

 

夏草や石垣壁を屏風絵に

夏の濠

鯉はねて亀の潜り

令和2年 5月のうた

教会のピアノに合わす蝶の息

白雲や寄りて紅薔薇五つ揺れ

巣枝かみ夏濠低く飛ぶ鵜かな

四つ連れの鴨の親子の夕陽かな

頭毛そよぐ鷺と歩けり夏川辺

     

夏雲の櫓の風や千鳥破風

濠は凪

夏川光り千の路

綿付ける蜜蜂が飛ぶ青き空

小雀の枝から枝へ見え隠れ

飛行機雲

風に音出す旗ポ
|

 

雲を背に野分めく夏の竹林

水溜ま


ひき去る車

梅雨閑

群れ躑躅

花らにすべて雨雫

 

青葉の香

傘に音なき雨の中

黒揚羽

通り雨来る自粛かな

借目時

吉水地蔵
堂の席

青葉陰

濠の浮木に亀ふたつ

黒あげは青葉にひらと瀬音道

みようでは鴉天狗か夏マスク

ぎらぎらとおのが手で刈る手鏡の

 

濠の底

泥鰌逃げ込む夏枯葉

黄金虫

牡丹の花粉にまみれ飛ぶ

夏青空

上弦の白き昼月

 

白椿落ちて蟻くる只一匹

 

鵜の巣増え鷺見えぬ森

夏濠辺

舟艪音

櫓に目立つ石落と

夏落葉

返せば バ ッ
タ青空へ

陽に透けて風のあいづち八重桜

紫の躑躅にそ っ と紋白蝶

 

あやめ島咲かず川獺

檻の中

背の高き緋牡丹揺れてス

|
めき

令和元年(平成31年)7月のうた

柿ピ
|
に杯は切子の冷酒かな

夏の池

鳰ひ

つ居て潜り

涼風や幼き笑顔ペコンとお辞儀

炎天下

毬栗光る棘数多

背景の雲に似た枝

流れる夏

     

夕立後草むら闇に寝る揚羽

雨やみて瀬音と蝉の騒がしき

瞬時口へ麺すする音梅雨晴間

口明けて鷺棲む森の鵜も暑し

夏草や長き石垣に這う雑多

 













夏海も街も彼方に天守閣

夏の森

闇の土塁の根道かな

 

緋鯉群れほとりの白き半夏生

涼風や小滝の飛沫来る木橋

梅雨の蜘蛛

土塁の濠へたなびけ

青苔を喰むかたつむり雨の音

梅雨道や濡れた木槿ら白く映え

濠の闇

梅雨の蜘蛛の巣

 

青梅雨や土塁堀辺に蜘蛛不動

 

青梅雨や旧藩邸の広き森

梅雨霞むスカイツリ
|
や川向う

夏の沼つの字のいもり杭の先

 

 

 

夏の寺ふわり帽子の大黒天

紫陽花やさざ波瀬音咲う群れ

夏風の瞬時に変える濠面かな

蝶や飛ぶ風に震える葉のよ

娘待つ黒犬尻にKとんぼ

 

夏木陰

手つな
ぐ孫と爺の影

梅雨晴間

岩滝池辺に蝶ふたつ

令和元年(平成31年)6月のうた

かたつむり切り枝株につの伸ばす

炎帝や白線二本進む空

涼風や漏れ来るピアノ昼下がり

夏濠辺

木漏れ日道の昼寝鯉

青葉陰さざ波の濠の古杭

     

花水木



に白雲

伸び

夏空に突き出すビルの避雷針

鷺の森にいつ
しか鵜住む夏の濠

旱梅雨

煙突先の避雷針

苗映すカ
|
ブミラ
|
や旱梅雨

 

紫陽花や川瀬の日陰を歩ゆむ猫

炎天下

瀬音と濠の間道

 

 

蜂羽音

瀬音に咲

額あ


花水木

顔出し
犬の尾を揺らす

鶯や息置いて降る城の森

川風や 枝寄せ扇ぐ青紅葉

引く風にしがみつく幹しじみ蝶

苗そよ
ぐ田に映る影

揺れる月

海山川越え叩き降る夏豪雨







む 傘





と白雲浮かぶ夏日かな

冷え
し部屋

明王戦ぐ炎中の鳥

 

夕立や傘音瀬音樹の香り

 

夕立や樹木の色香立ち上げて

馬頭観音

色鉛筆画の涼し部屋

風鈴の札

見上げて手出す幼児かな

紫陽花や妖精の如し羽根の虫

夏の濠

先に動かぬ観覧車

 

本徳寺

堀割流る水涼し

 

舟入川辺

赤バラ揺れて旧街道

令和元年(平成31年)5月のうた

紫陽花や色付く前の群れ揃う

炭屋橋

脇は舟入り群れ躑躅

円空へ長き石段

森闇続く

小雨中
 
葉らの陰行くシジミ蝶

搦手の唐棟屋根に初夏の風

     

上空を燕飛び蝶川辺飛ぶ

城門跡の石垣に座す花の雲

羽音させ藤のて
っぺ
ん熊ん蜂 

緑葉の躑躅の奥に入る蜂

陽を浴びて飛行機雲に透ける花 

 

 

花迷い古きお堂の花頭窓

 

瀬音橋

飛沫輝

夏日かな

羽音させ影選び飛ぶ鴉かな

 

涼風や肉球見せて眠る猫

石段が夏日へ伸びる遠き天

石垣に夏草増えて濠に映え

蝶飛びて蜜柑の影にとまりけり 

新緑や土手と石垣

能舞台

新緑や枝の太さの雀揺れ

炎天下

飛沫浴びつつ川浚

夏日射す浅瀬にもがく魚二匹

鵜飛び立つ叩く浪輪の六つかな

そよ風やつつじの紅に黒揚羽

 

森すべて休ませるなり青紅葉

 

初夏の風

草に吾が影動かせり

濠出島あやめ畑に跳ぶ鴉

風一陣さ

らんぼの粒みんな揺れ

新緑の森に天守も遠く見え

新緑や上下に飛ぶや黒揚羽

 

 

令和初日

白鷺並ぶ天守閣

 

鴨七つ親に離れず川昇る

平成30年7月のうた

しがみつく葉の空蝉や野分前

猛暑日に緑茂みに逃げる蝉

 

石垣を包む勢い草と蝉

水たまり蝶ひとつあり炎天下

     

浴衣着て夜店を巡る夕べかな

炎天下

白線眩し歩行路

涼風のカ
|
テン揺らす子守り風

地から湧く入道雲かビル並ぶ

炎天下

庭から空へ大八つ手

 

旗金具

棒叩



炎帝の

濠巡り和船の上や大入道

 

蜥蜴這う嵐おきさる夏枯れ葉

 

ギラギラ
と夏雲の空

川瀬音

 

酷暑の木陰サバンナの豹柄

集まれる毬栗の棘

天へ輝く

逆光の夕陽が後光

猛暑の日














野分去り川立つ鷺の毛の戦ぐ

猛暑日や日の影まだら一本道

小雀の砂風呂逃げる炎天下

炎天下

座仏の指に停まる鳥

雨もなく炎天ひらと蝶うれし

水たまり蝶ひとつあり炎天下

 

炎帝の睨みに蝉も声ひそめ

 

Kとんぼ瀬音に息を合わす羽根

 

夏野球

布団干す音流れ来る

 

雲の峰ひよどりの枇杷の実つつく

 

入道雲

蝶ふたつ舞い上がる

青空の川原野球の雲の峰


|
テンと会話する子の夏の風

 

 

けなげなり小さき蛇の濠へ這う

 

夏越しの輪くぐれば馬の目の涼し

平成30年6月のうた

雲の中爆音だけの梅雨じまい

炎天下

陰に蝶飛ぶ瀬音道

 

店通り浴衣の親子待つ夜店

 

色かたち小雨が似合う四葩かな

 

















   

 

垣根出て瀬音に揺れる額紫陽花

雨の田や苗をそよがす風温し

芝垣に朝顔ふたつ梅雨晴れ間

涼風や日陰にひとつKとんぼ

 

塩とんぼ地の影おぼろ炎天下

涼風や建屋を包む青き蔦

初夏の城ひとつ浮

碧中の雲

梅雨曇り水輪ポツ

と濠に雨

 

梅雨川辺

葉めぐ
る蝶らベニシジ

 

濠辺道あやめ出島を鴨の水脈

梅雨の堰

羽ばたいて越すつがい鴨

 

入梅や小蝶ひらひら川の路

子連れ鴨

水脈五本行

夏の川

五月雨を受けて花弁の滴れる

入梅や川の瀬音の騒めきて

梅雨めきて雨に冴える灯

交差点

 

田に泥鰌

鷺狙い飛ぶ白き影

 

花菖蒲映す濠面に緋鯉の尾

 









梅雨晴れ間

 

小さ
き実

黄色の琵琶と青き柿

 

梅雨晴れ間

朝にピア

の音流る

枇杷黄ばむ鵯飛び来

実を落と

あやめ揺れ欄干に虫うごく角

 

紫陽花の庭から覗く鞠五つ

 

炎天下

光る道路の白き線


平成30年5
月のうた

ちらほらと菖蒲出島に立つあやめ

冷房の誘うカラオケ熱き歌

 

溝掃除

軒に見つて獲る蜂巣

紫陽花を初見木陰の日照り道

初夏の道







|
田へ動

 

夏の空

尾翼が作る二本線

   

夏の部屋

木彫り仏の薄衣

落ち
し枇杷

青き実蹴り
てゆ

二人

瀬音道

釣鐘草の群れ揺れる

青き森

吾が足音と瀬冴え

 

緑風や自転車の上の木漏れ日

戦ぐ風はたかれ跳ねし鯉幟

 

土手青く紅飛沫立つ落ち椿

走る子の上ふたつ蝶も行く初夏

 

花弁らの炎を空に噴く紫木蓮

 

肥後椿とまる蝶追い遊ぶ猫

土手の午後

散乱す花

散る椿

青空へ枇杷の実背伸びする枝葉

日光に透ける若葉の並木道








ゃも






雲に戦ぐ老木の先

いで
し若葉

 

陽に透ける葉陰に二輪咲う沙羅

 

青葉路

野花に二つ黒揚羽

 

群れつつじ芯に羽ばたく黒揚羽

 

枇杷の風もたれまどろむ酔芙蓉

 

藤棚の花穂を揺らす熊ん蜂

 

濠辺鯉寄りて口開く夏日かな

濠遊ぶ和船に初夏の光射す

石垣の草は濠面のあたりから

 

花の蕊落ちて茶色の川辺道

 

はなみずき似合う

とんがり屋根の家

平成29年7月のうた

白雲に薄紅散らす百日紅

エアコンに町の路上絵

涼しけり

 

打ち水や商店街の出店前

日傘さし歩く妊婦の影涼し

濠越えて蝉

森に消ゆ午後静か

 

夏草や青葉ばかりの路続く

 

夕暮れの照る百日紅

通り雨

 

夕暮れに飛ぶ黒揚羽

炎天下

 

ひとつ蝉続く声あり何処の枝

 

数条の木漏れ日と降る蝉の声

 

川瀬音

交じ
り幽かな蝉ひ

蝉歩ゆむ道を車の炎天下

 

石垣の割れ目も裂けて夏の草

 

 

梅雨開けの川浚う波小石の音

 

汗流れ乾いて続く夏の路

絽の羽根が木陰で涼し黒蜻蛉

陽光を葉影でしのぐ沙羅の花

朝起きて窓はいる風

蝉の声

大空へ葉も実も背伸び枇杷の枝

ビルの窓

映す青葉の夏の城

 

老木に生えし若葉や流れ雲

 



わえ飛び立つ羽音

夏川辺

 

夏の川

浚えば光る小石ら

 

夏の雲

家抜け見える天守閣

 

川風に釣鐘草ら笑いおり

 

梅雨晴間

中洲の草に鷺ひ

 
匂い

川辺の土や
梅雨晴間





と雲


峰の
梅雨晴間

 

石垣に草一杯の濠辺

梅雨

 

梅雨闇夜

窓に稲妻




平成29年6月のうた

池飛ぶは道の駅棲む燕かも

風に起き静かな音や梅雨入雨

 

十二匹鴨ら餌探す初夏の川

新緑や中に城ある様な窓

青葉照る飛行機のゆく昼の月

 

陽に透ける葉陰に二輪咲う沙羅

 

絽の様な翅のトンボよ夏川辺

 

雨宿り浴衣祭りの軒の下

 

黒トンボ開いて閉じて五秒間

 

頭出し鵜
の青空へ初夏の川



せか




|


呼ぶ友

に 落 つ リ ズ ム 様 々 梅 雨 川 辺

風呂の雨

とゆ見上げれば軒忍

梅雨の蝶

水やる庭に降るや

梅雨空に小さきトンボ二つ三つ

喫茶去や窓より頬に風涼し 

鬼やん
ま羽根透け見え
る虎模様

 

頬に風

寺のお堂の夏日かな

梅雨はげし落ち青柿の光る艶

庭先で


よ風に笑む柘榴花




石の椅子足投げ出して夏日かな

靴脱げと母にコクリ
と初夏の旅

木下闇川へ小さ
き蛇降り

初夏の旅

去る追憶のゆく車窓

梅雨の径

雨の輪の音ケンケンパ

百合の花蝶裂けた羽根閉じて寝る













万緑や丘の上飛ぶ雲一朶

青葉より柘榴花落ち赤ら散り

先ほども逢うた蝶なり瀬音道

梅雨入りや溜まりに大小輪のリズム

躑躅さ



聞こ
える応援歌

蜥蜴這う失せしペンの絵ふと思う

 

紫陽花に蜜蜂ひとつ羽音させ

紫陽花の揺れて変わるや傘の音

 振り向けば枝垂桜の雨上がり 枇杷の実の天まで届け青き空

涼風や人工滝の長き壁

 

暑いよ


ぶらんこの影揺れ残
る 

路地に出る庭のよひらの色めきて

滴りて雫全てを写し込む

平成29年5月のうた

紫陽花や葉の蜘蛛の巣の雨雫

紅椿

連理の鷺や昼の月

茶席へ

蛍袋の案内道

不老門

涼し音無し夏の堂

白壁の屋敷の傍や夏の川

青嵐変える気流の櫓破風

 

泳ぎ終えジ



|
の窓

飛行雲

 

石鹸玉

景色ら映す昼の星

 

古き家
大空泳ぐ
五間鯉

 

新緑や中洲浅瀬に昼寝鯉

 

花の群れ鳥きて止まり揺らし去る

青葉風

山影瀬音響きお

ふらここや空へ飛び込む軋み音












木蓮や山並み遥か昼の月

路地水に降り寄り来る花游かな

新緑の濠や突如の牛蛙

泉水に光る庇や滝の音

限りなし巡礼

初夏のさざえ堂

燕飛ぶ巣に旋回の割れ尾羽根

段続く夏の小滝の瀬音かな

五月雨や蓑着るに似た鷺一つ

お地蔵も椿も笑う濡れ葉陰

塔仰ぐ風鐸の音や皐月風

青一色

葉陰の雀隠れけ

夏講習ゲイトボ|
ルの澄みし音

カメラ押す度に来る鳩

夏日かな

風薫る一本残るなんじ
ゃの樹

水恋

透ける川底

石に魚

夜桜や能篝火の小鍛冶かな

凪ぎ
し濠

新緑映す水鏡

母の日やカサブランカの香り家中

杭に鷺

濠の中洲の花菖蒲

黒揚羽

青葉の森のそこかし

打ちし球探してひろう春の川

花水木

紅色の風そよぐ庭

写す猫

着せようとする夏帽子

花を持つ野仏に逢う花の旅

蛇の尾の山裾の川入らんとす

せせらぎの道にアネモネ紅一点  

上着脱ぎ袖まくる日や初夏の風

流れ雲

初夏の上弦昼の月













I

さざなみに菜の花揺れて伸びさか り 


|


てプ
|
ルの底の影揺れて

玄関の庭花照らす初夏の月

平成28年7月のうた

虫柱

立つや夏夜の瀬音道

大夜空

光飛び散り消える音 


ッククウとな
く鳩ひとつ夏日陰

羽根透けて蝉の胴体

樹に染みて

夏草や石垣隠し光る濠

 

炎天下

瀬音の中洲

鷺ひ

 














 

くま

あぶら

異なる蝉の瀬音道

 

枯噴水

座れば歩む蟻の列

 
















 

部屋涼し青海ひろく高き雲

青き葉を背にして燃えるカンナの緋

涼風や座す石垣の崩れ石

石垣に草生い茂る夏の濠

指ほどの蛙の身投げ夏の川

せから




蟻共

炎天下

道に出る侘びた

よひらの花群れて

百日紅

庭から路に出てゆれる

 

鵜にあらず水浴び烏

炎天下

箒あり風雨の描く壁の傍

夕立に濡れて光るや


緋色

家つなぐ紐に絆や鯉のぼり

群れる黄の花の一つに夏の蜂

 

図書疲れ窓にしぶきの広き滝

雨上がり湿りに蝶の地に降りて

 















 

床柱

花一輪に風涼し

雨粒の煌め

花弁

酔芙蓉

炎天下

雀のかぶる砂の風呂

 

開けし窓

時に涼風ふと午睡

 

涼風や蝶に見まがう鳥

森へ

川堀に挟まれ抜ける風の道

 

   

紙揺れて風鈴の軒

漏れる歌

 

 

無花果と枇杷の葉陰や青々と

夏落ち葉

黄色が目立つ雨上がり

高砂の梅雨焼き穴子

昼の膳


たた寝のベンチの傍の半夏生 

向日葵の仰ぐ大空

蒼一色

梅雨の夜に出来た並木の壁画かな


季語へ